一枚の写真。。。
物心ついた時から気になっていたモノクロの写真が実家にあった。
古いアルバムに貼り付けてある写真には、
やっとお座りができるようになった私と、
その頃の父の愛車「スバル」が写っていた。
スバルのボンネットにチョコンと座る自分のあどけない表情が好きで、
大きくなっても度々本棚からアルバムを取り出しては見ていた。
形のあるものは、
やがてその姿を消していく。
人も、物も、それは仕方のないこと。
だから私は写真が大好きなのだろう。
それがどんなに遠い日の写真であっても、
その時の風、におい、そして心が瞬間によみがえるから。
一枚の写真が持つ歴史は、
決して消えない心の歴史だ。
あの時、
父はなぜ私をボンネットに座らせてシャッターを押したのだろう。。
私にはその時の父の息づかいが聞こえてくるような気がする。
2009.5 POLO
大切なものを心に残しておくために、
人は「たった一枚の写真」を撮り続ける。
何枚も、何枚も。。。
私が生まれ4人家族になり、父は2ドアのスバルを手放したそうです。。。
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