音楽と公民館と。。。ルッチプラザ『第41回りれーピアノ発表会』

白谷仁子

2021年07月31日 17:40




今日、7月31日は米原市のルッチプラザで、第41回りれーピアノ発表会が開催された。





大学を卒業してすぐ、中学校の常勤講師をしながら、実家でピアノやソルフェージュを教えるという音楽教室をはじめた。
それから30年あまり、結婚して拠点を移し、子育て中も休まずに続けてきた。
演奏活動でいっぱいいっぱいの時期も、発表会は全て自主公演してきた。
多い時で50名を超える生徒が出演した年もあった。
今ではその思い出全てが宝物だ。

地域には良い楽器を備えた音響の優れたホールがあちこちにある。
ルッチプラザは、自身の初のソプラノリサイタルから、ホームグラウンドのように親しんできた。
ピアノはスタインウェイ。
昨年、オーバーホールの時には、弾きこみ(音が安定するまでスケールなどを定期に行い調律師と連携を図りながら、ステージに送る準備をする)からお披露目コンサートまで湖音として関わらせてもらった。
市からご理解をいただいたことは、私たち地域で活動するものにとって、とても喜ばしいことだった。





今年は初めて、りれーピアノ発表会に生徒3名を出すことにした。
昨年から2年続けて湖音の発表会が中止となり、部活や勉強との両立の中で頑張っている生徒の発表の場として、とても良いタイミングだった。

ルッチプラザは米原市の公民館としての機能だけでなく、アマチュアからプロの海外アーティストまで、他種のコンサートを開催してきた。
「世界で活躍するピアニストが弾くピアノを、同じホールで弾ける。」
こんな贅沢が身近にあるのは、ピアノを習っている子供達にとって、とても幸せなことだ。
コンサートや発表会だけでなく、安価で借りれることから、ホールとスタインウェイを借りて練習に使用している子もいる。

発表会といえば、いつもは走り回っているが、今日はかわいい生徒たちの演奏を、ゆっくりと客席で聴く事が出来た。

公民館として、市がホールや高価な楽器を維持することは大変な事だ。
本来なら、地域性を図り、それに担ったハコ(ホール)や楽器を揃えて、地域での活用に生かすことが大切だが、何年か前、市町の統廃合が行われたあたり、贅沢なホールがあちこちに建設された。

ルッチプラザは客席300あまりの音楽ホールだ。
残響も、音の飛ぶ早さも、クラッシック音楽には最適だと思う。
でも敷居は決して高くなく、利用者をいつも大切にしてくれる。

ホールの個性を守りながら、地域と密接に音楽教育をコツコツと続けている姿は、私たち地域の音楽家の誇りだ。
ここで一流のピアノに触れ、地域と育った子どもたちがまた、音楽の裾野を広げてくれることを祈ろう。





椿ちゃん「アレグロ 変ロ長調K3・アンダンテ へ長調K616」
愛友ちゃん「乙女の祈り/バダジェフスカ」
堅士くん「野ばらに寄す/マクダヴェル」「真夜中の火祭り/平吉穀州」

ありがとう。
先生がいつも言っていること、「自分の音を聴く」。
当たり前だけど、とても難しいこと。
今日の音、とてもきれいだった。
また一歩一歩、ゆっくり前へ進もう。








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