「私たちが何気無く、ともすれば気づかないうちにしているハミングや鼻歌は、いつ頃、どんな民族から始まったのだろう。」
《8月28日concertパリ旅情ウエルカムコンサートby ラ・ルミエール》
「誰に聴いてもらうでもなく、大抵は一人でいる時間に無意識に出てくるハミングは、人間がどんな心理の時に出てくるのか、また、人間の発声の中で一番自然で美しいと言われる鼻歌を口ずさむ時、体は、声帯はどのような状態なのだろうか・・・。」
そんな疑問を持ちつつ、大学を出てから35年近く携わった様々な仕事の中で、またそこで出会った人たちと関わる中で、少しずつだけれど見えて来たものがある。
音楽の力、歌の力は未知なものだ。
丸一日話したところで心理など伝えることはできない。
人と人とを繋ぎ、ある時は病を癒し、歌う時に働く脳の深い部分は、私たちが「命の危険」を察知する部分と同一であると書かれた著書もある。
「歌う」ことは、単に楽しみや娯楽ではなく、紀元前から人間の心身が進化してきた経過にとって、とても重要であることは間違いない。
ルネサンス以降、バロック、古典派、ロマン派と、音楽が芸術として捉えられるようになってから、まだ500〜600年しか経っていないけれど、その歴史は全く揺るぎなく現代に伝えられている。そして楽の歴史は、塗り替えられていない。
日常、歌が生活の一部としてあるような人が、ある日突然「コーラスはいけません。」と言われる。
その時、歌えないことよりも、歌ってはいけないと強いられることに違和感や戸惑いをおぼえる人の方が多かったのではないだろうか。
歌を本業にしている人でも、事情で一週間、1ヶ月・・・と歌えないことはある。
だけれど人は、「歌ってはいけない」と強いられることで、それがたとえ1日でも、とても苦しい。
歌うことは、人間にとって「大切」とか「必要」とか以前に、ただただ「自然」なことなのだ。
お茶を飲んだり食事をしたり、誰かが恋しくなったり眠くなったり、泣いたり笑ったり・・・当たり前のことなのだ。
コロナ禍の中、コンサート活動やコーラス活動は、気をつけなくてはならないことがたくさんある。
止むを得ず自粛期間を置かねばならない時もあるかもしれない。
でも、人間はこれまで気の遠くなるような時空を自然とかかわりながら超えて来た。
その自然の中の一つが歌、音楽と考えると、私たちは時間の流れに逆らうことなく、心と頭の声を聞きながら、信じるものが導くほうへ歩いていくことが、今できる最大のことのように思える。
ここに述べたことは私のおもいの、ほんのひとかけらにすぎないけれど、私が代表をしている2つのコーラスグループ「コーラス・ユウスゲ」と「ラ・ルミエール」の最大のテーマかもしれない。
助け合い、支え合い、いつも前を向いていること。
人と人が繋がり生きていく上で最も大切なことを、世代の異なる2つのグループから私は教えられている。
文化産業交流会館でのウエルカム・コンサートは2回目。
地域のホール、施設はどこもあたたかくて親切だ。
快く承諾し、新たなスペースの準備もしてくださったことに、感謝は尽きない。。。
●ウエルカムコンサート プログラム●
『誰にも言わずに』から
詩 金子みすゞ 曲 相澤直人
・露
・このみち
・私と小鳥と鈴と
・色紙
シャローム ダン・フォレスト
来年2023年9月、ラ・ルミエール第1回定期演奏会を米原市ルッチプラザで開催します!!!。