竹久夢二の歌曲。。。

白谷仁子

2014年02月05日 20:23

わすれな草よ。

なれが名を

なづけしひとも泣きたまひしや。

『わすれな草』(竹久夢二)より










竹久夢二の詩の世界は、独自の抒情的世界を持っている。
それは、数多く残されている美人画をはじめ、かわいらしい子どものイラストから、花や小鳥のイラストにおいてもいえることだ。

私は、幼い頃におぼえた『宵待草』という歌に出会った時から、その世界の魅力にとりつかれていたのだと思う。。。








今日は、ピアニストの竹中直美さんと、大阪で塚田佳男先生に竹久夢二の歌曲を2曲、ご指導いただいた。
『わすれな草』(藤井清水 曲)『街灯』(澤田柳吉 曲)、ともに、大変抒情的で美しいメロディーだ。
塚田先生からのご指導・アドバイスからは、いつも、その歌の本質と美しさを知り、歌う事・演奏することに対し、とても勇気をもらうことが出来る。

「歌と朗読で綴る 竹久夢二〜戀する歌」を開催した2010年9月18日、 この日は私にとって生涯忘れることの出来ない「大切な日」だ。
今回三度目となる「歌と朗読で綴る 竹久夢二」コンサートに向けて、ひとつずつ、夢二の世界を作っていこうと思う。。。








わすれな草
竹久夢二 詩/藤井清水 曲

袂の風を身にしめて
ゆふべ ゆふべのものをもひ。
野ずゑはるかに見渡せば。
わかれて来ぬる窓の灯の
なみだぐましき光かな。

袂をだいて木によれば
やぶれておつる文がらの
またつくろはむすべもがな。

わすれな草よ。
なれが名を
なづけしひとも泣きたまひしや。


作曲家「藤井清水 」の1920年の作品。
日本のカラーを出すために、随分苦心したと言われており、伴奏部分に拘ったとされている。
この曲の刊行にあたり、日本を代表する作曲家「山田耕筰」が校訂をおこなった。






竹久夢二・・・といえば、まず「宵待草」。

そして私の大好きな「花をたずねて」は外せません。
彦乃に寄せた愛の言葉は、彦乃が亡くなり、そして夢二がこの世を去ったあとも、今を生きる私達女性の心を強く強くうつのです。。。

「ただ、逢ふために逢ひたい。。。」


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