田舎の自然。。。
人間はどんなに
文明人になっても
田舎の自然を
わすれてはいけない。
1920年9月20日 竹久夢二
「お葉宛の手紙より」
8月も残り少なくなると、「ゆびきりげんまん」をしたように、シュウメイギク(秋明菊)がお庭に咲き始める。
真夏に青々とした葉をたゆませることなく茂らせて、真ん中の小さな蕾を守っている姿は、大切な人を守る大きな手にも見える。
夢二が絵のモデルにしていた女性「お葉」に当てた手紙の一文は、夢二が36歳の誕生日を迎えた4日後のもの。
その年1920年1月は、最愛の人「彦乃」を亡くした年だ。
キンポウゲ科のシュウメイギクは、とても強い。
儚く消えていった恋人を想いながら、自然の美しさと儚さと、そして強さを誰かに伝えたかったのだろうか。
人間は、良いことも悪いことも、都合よく忘れる器用さを持っている部分がある。
だけれどそんなことを、自然の生き様だったり、音楽だったりが、時に思い出させてくれるのかもしれない。
また、秋がやってくる。
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