小さな空。。。

白谷仁子

2014年10月23日 19:58

夕空みたら
 小さな鳥が
  柿色の空を
   飛んでいった。。。








高校の教科書に、武満徹の「小さな空」が載っている。
ちょうど去年の今頃、びわ湖ホールで開催したコンサート『SONGS〜武満徹』のステージでも歌った。。。

学生たちの声は、なぜあんなに心地良いのだろう。
やさしいメロディーの「小さな空」は、すぐに学生たちの心にしみわたるようだ。

嬉しかったこと?
悲しかったこと?
寂しかったこと?

何をおもってうたうのか。
大人になったら忘れてしまうようなことも、
彼らはまだ真新しい心いっぱいに持っている。

私たち大人が瞬間、そのことを思い出すのは、
「偶然」という時間からのプレゼントか、
それとも、「必然」という運命のわずかな時間の一部なのか。。。






そして音楽は、世代を超えて、その事を一瞬にして伝えてしまう力をもっている。。。


『小さな空』
    武満徹

  1
  青空みたら 
  綿のような雲が
  悲しみをのせて 
  飛んでいった
  * 
  いたずらが過ぎて 
  叱られて泣いた
  こどもの頃を憶いだした

  2
  夕空みたら 
  教会の窓の
  ステンドグラスが 
  眞赫に燃えてた
  *

  3
  夜空をみたら 
  小さな星が
  涙のように 
  光っていた
  *


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