
2015年11月29日
近江図書館クリスマスロビーコンサート
雨垂れ石を穿つ。。。
ゼロからスタートしたことを、いつの間にか忘れてしまう。
それが音楽。
気付くといつの間にか、随分と遠くまで来ている。
だけど、終点はまだまだずっと先。。。
それが音楽。
自分が音楽をするということ。。

12月23日(祝・水曜日)午後2時から、米原市立近江図書館で、クリスマスロビーコンサートを開催します。
出演は、コーラスユウスゲと、声楽の生徒さんたち。
クリスマスソングメドレー、ミュージカルナンバー、日本の童謡、ヨーロッパの歌曲などバラエティーに富んだプログラムをお楽しみください。
●出 演 ●
白谷仁子(企画・指揮・指導)
近藤しほり(ピアノ)
コーラスユウスゲ
田辺恵
寺脇愛子
横田亜香里
尾本祐菜
池田百花
寺田結美
● 演奏曲目 ●
クリスマスソング・メドレー
アメージング・グレイス
アヴェ・ヴェルム・コルプス
愛の小径(プーランク)
夢(トスティ)
愛しいひとよ(ジョルダーノ)
かなりや(西条八十 詩/成田為三 曲)
《オペラ座の怪人》から「スィンク・オブ・ミー」
《ジキル&ハイド》から「その目に」
《リトルマーメイド》から「どんな夢より」
ほか
雨垂れ石を穿つ。。。
コーラスの経験など殆ど無い仲良しグループ6名から始めた歌のグループも、ずっと歌い続け、いつの間にか10年が過ぎました。
小学校に上がるまで、私のめんどうをみてくれた、優しい「おばちゃん」たち。。。
若くて頼りになるメンバーが少しづつ増え、ユウスゲは今や家族のようなグループ。
上手になる事ももちろん大事。
だけれど、それよりももっと大事なことがあることを、私や幼い生徒たちに教えてくれる人生の先輩たちの歌声を、そして、社会に出て仕事を持っても尚、歌を愛し学ぼうとする生徒さん、将来の夢の為に日々努力を重ねている学生たちの歌声を、聴いてください。

「メリークリスマス」まで・・・あと少し。。。
2015年11月24日
Romance。。。
あの頃、お前は私を包んでくれた、
希望と貞淑な愛と、至福と
平和をもって作られた超自然の靄で・・・

歌は詩によって生まれ、歌は旋律で動き出す。
フランス歌曲に恋をしたのは、大学を出たばかりの頃。
詩の美しさ、そしてそれ以上に難しさに憧れを持った。
Romance(L'âme évaporée)ロマンス(霧のように消える魂)は、今一番のお気に入りだ。
問いかける言葉の内側から、過去に勝る強い想いが受け取る事が出来る。
けして終わらない永遠のロマンスを感じられるのは、ドビュッシーの儚く甘いメロディーのせいかもしれない。。。
Romance(L'âme évaporée)
L'âme évaporée et souffrante,
L'âme douce, l'âme odorante
Des lis divins que j'ai cueillis
Dans le jardin de ta pensée,
Où donc les vents l'ont-ils chassée,
Cette âme adorable des lis?
N'est-il plus un parfum qui reste
De la suavité céleste
Des jours ou tu m'enveloppais
D'une vapeur surnaturelle,
Faite d'espoir, d'amour fidèle,
De béatitude et de paix?
〜Paul Bourget〜
ロマンス(霧のように消える魂)
軽はずみな、悩める魂
優しい魂、お前の心の庭の中で
私が摘みとってきた神聖な
百合の匂いのする魂、
一体、風はその魂をどこに吹き払ったのか、
百合花のこの素晴らしい魂を?
すぎた日々の
天上の喜びからは
もはや香り一つ残されていないのか?
あの頃、お前は私を包んでくれた、
希望と貞淑な愛と、至福と
平和をもって作られた超自然の靄で
〜窪田般彌 訳〜
(Natalie Dessay,ドビュッシー:歌曲集「月の光」より)
2015年11月22日
言葉と心はなかよし。。。
言葉と心はなかよしだ。
10の「楽しい」を連ねるよりも
たった一つの「さびしい」のほうが
いっぱい いっぱい愛に満ちていることもある。。。
言葉と心のなかよしは
ときおり離ればなれになるけれど
そんな時こそ本当を・・・
心の本当を伝えましょう。

今日、米原市立近江図書館 かたりべホールで、8年目になる米原市学校支援地域本部事業成果発表会「本との出会いは宝物」が行われました。
地域小学校での巡回文庫、図書館大改造など、「子どもと本をつなぐ」ことを目標に、ボランティア活動のようすなどが発表されました。
学校の先生方、図書館の職員さん、地域のボランティアの方々が、子供たちと本の繋がりを深めようと、見えないところで努力していて下さっていることを改めて知りました。
そして、7/25、ルッチプラザにて開催された『ことばのワークショップ』での取組も、その一つとして発表させていただきました。
ワークショップ参加者の皆さんがそれぞれ写真からイメージし、創作した詩の朗読に、会場からは感動のため息や温かい拍手をいただきました。

かえる
相葉 志津子
けろけろりん
けろけろけろっと こんにちは
きゅうりばたけの さんばしで
おかえるさまの おとおりだ
げこげこりん
げこげこげこっと にらめっこ
きゅうりばたけの トンネルを
おかえるさまが おかえりだ
きゅうり
中嶋 優季
ひろーいはたけに にゅるにゅると
つるをのばして ぶらさがる
あっちへにょきり こっちへにょきり
おやおや あんなところまで
とげとげ ちくちく いたたたた
ぽりぽり しゃくしゃく うまいうまい

太陽
坂田小学校 4年
今中 慧
おはよう 太陽
ねぇねぇ 太陽
ひろーい 太陽
あつーい 太陽
なかよし 太陽
ぼんやり 太陽
ぎらぎら 太陽
太陽は 東から西へかけてゆく
もし太陽がなかったら
人は生きていけないよ
やっぱり今日もいい天気
朝の散歩
山室 あおめ
朝の 空に おはよう
朝の 風に おはよう
朝の 山に おはよう
朝の 田んぼに おはよう
おや この風の匂い
おや この雲の流れ
暑い暑いの真後ろから
そっと近づいてくる秋
見ぃつけた
秋の先頭 見ぃつけた
あいさつ
大原小学校 3年
中嶋 海李
おはよう
こんにちは
こんばんは
言った自分も
言われた相手も
心がさっぱりする
知らない人でも
あいさつをしたら
心がやっぱり
さっぱりした

どんぐりのぼうし
春照小学校 2年
相葉 奈緒子
どんぐりさんは
ぼうしをかぶっている
木の上で
そだっている
みんな
かわいいね と
ぼうしを言う

大きな木
河南中学校 2年
今中 航
庭にある大きな木
あれは今 何歳なんだろう
見上げるほどの 大きな木
それは ずっと僕を見ていた

「あなたへ」
大西 美智子
ねぇねぇ
あら、また よんじゃった
いないのに
あかいお月さま
一緒に 観たかったなぁ
ちょっと しんみり
わたし 片恋人♡
写真からイメージした詩は、爽やかなものから心がキュンとなるものまで、どれも表現豊かなものばかりでした。
言葉を通じて、私自身たくさんの「言葉」と「人」に出会う事が出来たことに、感謝でいっぱいです。。。
関わられた全ての方へ・・・
ありがとうございました。
10の「楽しい」を連ねるよりも
たった一つの「さびしい」のほうが
いっぱい いっぱい愛に満ちていることもある。。。
言葉と心のなかよしは
ときおり離ればなれになるけれど
そんな時こそ本当を・・・
心の本当を伝えましょう。

今日、米原市立近江図書館 かたりべホールで、8年目になる米原市学校支援地域本部事業成果発表会「本との出会いは宝物」が行われました。
地域小学校での巡回文庫、図書館大改造など、「子どもと本をつなぐ」ことを目標に、ボランティア活動のようすなどが発表されました。
学校の先生方、図書館の職員さん、地域のボランティアの方々が、子供たちと本の繋がりを深めようと、見えないところで努力していて下さっていることを改めて知りました。
そして、7/25、ルッチプラザにて開催された『ことばのワークショップ』での取組も、その一つとして発表させていただきました。
ワークショップ参加者の皆さんがそれぞれ写真からイメージし、創作した詩の朗読に、会場からは感動のため息や温かい拍手をいただきました。

かえる
相葉 志津子
けろけろりん
けろけろけろっと こんにちは
きゅうりばたけの さんばしで
おかえるさまの おとおりだ
げこげこりん
げこげこげこっと にらめっこ
きゅうりばたけの トンネルを
おかえるさまが おかえりだ
きゅうり
中嶋 優季
ひろーいはたけに にゅるにゅると
つるをのばして ぶらさがる
あっちへにょきり こっちへにょきり
おやおや あんなところまで
とげとげ ちくちく いたたたた
ぽりぽり しゃくしゃく うまいうまい

太陽
坂田小学校 4年
今中 慧
おはよう 太陽
ねぇねぇ 太陽
ひろーい 太陽
あつーい 太陽
なかよし 太陽
ぼんやり 太陽
ぎらぎら 太陽
太陽は 東から西へかけてゆく
もし太陽がなかったら
人は生きていけないよ
やっぱり今日もいい天気
朝の散歩
山室 あおめ
朝の 空に おはよう
朝の 風に おはよう
朝の 山に おはよう
朝の 田んぼに おはよう
おや この風の匂い
おや この雲の流れ
暑い暑いの真後ろから
そっと近づいてくる秋
見ぃつけた
秋の先頭 見ぃつけた
あいさつ
大原小学校 3年
中嶋 海李
おはよう
こんにちは
こんばんは
言った自分も
言われた相手も
心がさっぱりする
知らない人でも
あいさつをしたら
心がやっぱり
さっぱりした

どんぐりのぼうし
春照小学校 2年
相葉 奈緒子
どんぐりさんは
ぼうしをかぶっている
木の上で
そだっている
みんな
かわいいね と
ぼうしを言う

大きな木
河南中学校 2年
今中 航
庭にある大きな木
あれは今 何歳なんだろう
見上げるほどの 大きな木
それは ずっと僕を見ていた

「あなたへ」
大西 美智子
ねぇねぇ
あら、また よんじゃった
いないのに
あかいお月さま
一緒に 観たかったなぁ
ちょっと しんみり
わたし 片恋人♡
写真からイメージした詩は、爽やかなものから心がキュンとなるものまで、どれも表現豊かなものばかりでした。
言葉を通じて、私自身たくさんの「言葉」と「人」に出会う事が出来たことに、感謝でいっぱいです。。。
関わられた全ての方へ・・・
ありがとうございました。
2015年11月16日
秋虹。。。
つめたい雨が忘れていった
わたあめのような秋の虹
もう少し
もう少しだけそこにいて
みせたい人がいるのです

すぐに消えてしまう秋虹を
ずっとみていたことがある
眼をそらした瞬間に消えてしまいそうで
瞬きもせずにみていた
もう少し
もう少しだけそこにいて
みせたい人がいるのです
薄れていく光の線をながめながら
小さかった私は一心に
空にお願いをしていた。。。
2015年11月13日
学級文庫。。。
美術館、コンサートホール、図書館・・・
人間がつくったものに、私達は心のオアシスをもらっている。
《京都フィールド・アート・プロジェクト2015、ぐり友里さんの「コイコイ ベンチ」》

最初のオアシスは、小学校の学級文庫。
黒板横にならんだ、僅か十数冊の本のスペースから
私は色んな事を学んだ。
ルイーザ・メイ・オルコットの『若草物語』、新美南吉の「手袋を買いに」、江戸川乱歩の「怪人二十面相」。。。
小さな私は、活字と対話していた。
ある時はそのストーリーの中に遊び、そしてある時は、賑やかな教室でのお昼休み、ひとりぼっちの私と一緒にいてくれた古ぼけた本たち。
大学で一歌を勉強するようになって、小説から詩へと興味が移っていった。
自由詩に憧れ、叙景詩に夢中になった。
言葉の一行一行から、旋律が聴こえるようだった。
本も芸術も、人間がつくったものが人間を強く、そして優しくする。
《小さな息づかいが聴こえてくるような白い文鳥さんから、暫し離れられず・・・》

学級文庫。。。
懐かしくてうれしい響き。
続きを読む
2015年11月08日
水差しを持つ女〜フェルメールの描く女性たち。。。
青、蒼、碧・・・。
これほど美しい色があることを、私は知らなかった。
フェルメールのウルトラマリンは、自分が女性である事を強烈に感じさせる魔法のようだっだ。。。
《「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち―世界劇場の女性―」京都市美術館にて 2016年1月5日(火)まで》

京都市美術館で開催されている「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たちー世界劇場の女性ー」。
「水差しを持つ女」を目の前にした瞬間、周りにあたたい光が差し込んだようだった。。。
ウルトラマリンのスカートは、想像していたよりもうんと深く、重なるテーブルクロスの模様が印象的だった。
そしてもう一つ気になったのが、壁に掛けられている地図。
誰かを静かに待ちわびているのか、それとも大きな決心をしたのか・・・そんな幸せ感が心地よかった。
テーブルの上の宝石箱と水差しの存在が、一瞬にして小さなドラマを作り出す。。
フェルメールの作品で、「リュートを調弦する女」にも、壁には地図が掛けられているが、私は壁に掛けられた地図が、どうも気になって仕方がない。

出来る事なら、毎日でも「水差しを持つ女」に会いにいきたい。。
きっと、会うたびに新しい表情をみせてくれるに違いないから。。。
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2015年11月05日
睡蓮木〜秋のエフェメラル
いつのために・・・
なんのために・・・
だれのために・・・

小春日和の一日花は
陽を一心に受け止める
十の花弁で受け止める
優しき人は息をひそめ
秋のエフェメラルに顔を寄せる
いつのために・・・
なんのために・・・
だれのために・・・
それは全て
大切な人のために
睡蓮木〜秋のエフェメラル
2015年11月02日
もつれ飛ぶ蝶に。。。
10月。。。
あの日、ツマグロヒョウモン蝶は追いかけっこをしていた。
もつれ飛ぶように。。。
この子は多分オトコノコ。。
スミレ好きのツマグロヒョウモン蝶は
秋の風景に似合う。

III さびしき野辺
いま だれかが 私に
花の名を ささやいて行つた
私の耳に 風が それを告げた
追憶の日のやうに
いま だれかが しづかに
身をおこす 私のそばに
もつれ飛ぶ ちひさい蝶らに
手をさしのべるやうに
ああ しかし と
なぜ私は いふのだろう
そのひとは だれでもいい と
いま だれかが とほく
私の名を 呼んでゐる……ああ しかし
私は答へない おまへ だれでもないひとに
〜立原道造『優しき歌Ⅱ』より〜
いま だれかが 私に
花の名を ささやいて行つた
私の耳に 風が それを告げた
追憶の日のやうに
いま だれかが しづかに
身をおこす 私のそばに
もつれ飛ぶ ちひさい蝶らに
手をさしのべるやうに
ああ しかし と
なぜ私は いふのだろう
そのひとは だれでもいい と
いま だれかが とほく
私の名を 呼んでゐる……ああ しかし
私は答へない おまへ だれでもないひとに
〜立原道造『優しき歌Ⅱ』より〜
大好きな立原道造の詩を読むと、自分のこころの色んな事がリセットされる。
それは、単純で複雑なこころをほどく、真っ白なパウダーのようだと思う。
そして、大好きな詩を歌にする事が出来るよろこびをいつもいつもかみしめている。

11月。。。
ツマグロヒョウモン蝶はまだひらひらと羽をゆらしているだろうか。
私達が「一日」を感じるように、
あの子たちは「一秒」を一生懸命生きている。
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