
2018年05月31日
花の眼「山雪草」。。。
山雪草の花達は、
とてもとてもは仲良し。
一度にワッと咲いて、
そして準々に花を散らす。
みんな散ってしまって、
葉っぱだけになると、
土の下の細い根っこは相談する。
「だれが一番に花を咲かせるか・・・」
一番くじを引いたお花は大変。
なぜなら、
一番長く花を咲かせていなくてはならないから。。。
《山雪草(アレナリア・モンタナ) 花言葉「可憐」》

どんなに小さくても、
そこに、花の眼があると、
ゴミを捨てたりはできない。
もしかしたら、
花の眼ほど人を見ているものは無いかもしれない。
一番に咲いた山雪草の小さな花は、
仲間がみんな花開くまでジッとみている。
何かをジッとみている。。。
私をジッとみている。。。
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2018年05月27日
土と花と想いを込めたお花畑。。。
無性に。。。
土に触りたいときがある。
素手で、お庭の花壇の土に指を沈める。
優しく撫でるように、ゆっくりゆっくり沈めていくと、指先がだんだん温かくなる。。。
《ジニア 花言葉「会えない友を思う」》

これまでジニアは白以外買ったことはなかったが、苗屋さんで娘が選んでくれたので、初めてオレンジ色を植えた。
ニチニチソウやガーベラ、コリウスやワイヤープランツの中で、オレンジのジニアは、なぜかとても勇敢に見えるから不思議だ。
私はジニアを、正方形の花壇のまん中に植えた。
《ニチニチソウ 花言葉「楽しい思い出」》

ニチニチソウを植えたのは初めてだったが、毎朝顔を会わせる度に、可愛さがつのっていく。
次々に花を咲かせてくる健気さが、朝の元気をくれる。
《セントーレア・ギムノカルパ 》

ご近所にお花好きな方が多いせいか、時々、植えたはずの無いお花がヒョッコリ顔を出すことがある。
セントーレア・ギムノカルパ はがそうだ。
はじめ、庭に群生しているシロタエギクが、土を移動したときにくっついて来たのだとばかり思っていたら、黄色ではなくピンクのお花が咲いたので、とてもテンションが上がった。。
どこからか、お嫁にきたのだ。
《ホットリップス》

ホットリップスは、色々な表情を見せてくれる可愛いお花。
しかし今日ばかりは、いつになく驚いた。。。
・・・お花の上に、二人の小人が!!!
《ブーゲンビリア 花言葉「アナタしか見えない」》

今から250年前にブラジルで発見されたというブーゲンビリア。
可憐で優しげだけど、とても育てやすい。
《フレンチラベンダー 花言葉「あなたを待っている」》

ハーブの中で、私の中の1番はラベンダーだ。
4つの種類のラベンダーを植えているが、一番可愛いと思うのは、このフレンチ・ラベンダー。
フランスから来た・・・というのも、なんかいい。。
やせっぽっちのカラスノエンドウが、舶来のおしゃれなラベンダーにご執心だったので、そのままにしておいてあげた。
《ソネット 花言葉「夢みたものは」》

2016年11月28日、びわ湖ホールで開催したこんさーと「SONNET」。
いただいたお花を、お友達にお裾分けして1年半。
先日、その中の薔薇を挿し木してプレゼントしてくれた。
可愛い蕾は、とても愛らしい花と開いた。
私はこの薔薇を、SONNET(ソネット)と名付けた。
花言葉はもちろん、「夢みたものは」。。

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2018年05月25日
朝の挨拶。。。
家の裏の敷地には、花壇には咲かない花がいくつもある。
お水も肥料ももらえないのに、長い間咲き続けるそのたちは、花瓶に生けるとすぐにかれてしまう。。。
植物は人間よりも、自分の居場所を知っている。

知らない花や虫に出会うと、なんだか嬉しくなる。
見たことのない花や生きものが、まだまだたくさんあるのだと思うと、歌ったことのない曲の楽譜を初めて広げたときのようにワクワクする。。。

毎朝、娘を送り出した後、家の周りをグルリとまわる。
昨日は気付かなかったその場所で、また小さな花が私を迎える。
花弁を閉じ、お日さまを待つその小さな花と、私は朝の挨拶をかわす。。。
2018年05月21日
コンサート『あのころVol.4 山田耕筰と本居長世』を終えて。。
一日一生。
一日一笑。
一日一唱。
コンサート『あのころVol.4 山田耕筰と本居長世』が終わりました。。。
5月20日(日)『あのころVol.4 山田耕筰と本居長世』

開演30分前、ロビーではラ・ルミエールによるウェルカム・コンサートが始まりました。
曲はレーパートリーの「お日さま〜大切なあなたへ」「やさしさに包まれたなら」「麦の歌」。


沢山のお客様に迎えられ、第1部は幕を開けました。
「砂山」「この道」(北原白秋)、「涙」(竹久夢二)、「みぞれに寄する愛の歌」(大木惇夫)。
前半は、山田耕筰お馴染みの曲と、あまり歌われることの無い竹久夢二の歌曲を。

山田耕筰が敬愛していた アレクサンドル・スクリャービンのソナタ5番 Op.53 は、超絶技巧を要する難曲でありながら、スクリャービンのソナタの中では最もよく演奏される作品の1つです。
スクリャービン自作のエッセイ『法悦の詩 Le Poème de l'Extase』から引用された、次の一節が、タイトルに続き記されています。
私はお前を生へと招く神秘の力
創造の精神の深みに沈む
おどおどした生命の胎児よ
お前に今 私の大胆さを授けよう
客席は、石塚佳絵さんのピアノの世界に引き込まれました。

ベルリン留学を終え、モスクワでスクリャービンのピアノ演奏を聴いた山田耕筰は、帰国後、詩人 北原白秋に出会います。
白秋の「柳河風俗詩」(詩集『思ひ出』所載)から5つの詩をび、耕筰は歌曲集「AIYANの歌」を僅か5日間で作り上げたといいます。
その頃はちょうど今と同じ5月でした。

2部の初めは、ラ・ルミエールのコーラス。
誰もが知っている山田耕筰の童謡「赤とんぼ」「待ちぼうけ」、本居長世の童謡「赤い靴」「青い眼の人形」を披露しました。
この日のために、一人ひとりが準備を重ね、心を一つにしました。

2部後半のステージは、本居長世の歌曲「白月」、童謡「十五やお月さん」「七つの子」「四丁目の犬」。
野口雨情の詩による山田耕筰の童謡「烏の番雀の番」「狐の提灯」「カッコ鳥」そして、北原白秋の詩による名曲、私の大好きな「からたちの花」で終わりました。

コンサート『あのころVol.4 山田耕筰と本居長世』のプログラムを振り返ると、日本の貧しくも豊かな時代背景が浮かび上がってきます。
そしてそこにはいつも、一心に何かを守り続けた女性達の姿が浮かぶのです。
一日一生。
一日一笑。
一日一唱。
優しさは強さを呼び、強さは優しさを作る・・・。
沢山の感謝が、また新しい音楽を作る源になりますように。。。
ありがとうございました。。

一日一笑。
一日一唱。
コンサート『あのころVol.4 山田耕筰と本居長世』が終わりました。。。
5月20日(日)『あのころVol.4 山田耕筰と本居長世』

開演30分前、ロビーではラ・ルミエールによるウェルカム・コンサートが始まりました。
曲はレーパートリーの「お日さま〜大切なあなたへ」「やさしさに包まれたなら」「麦の歌」。


沢山のお客様に迎えられ、第1部は幕を開けました。
「砂山」「この道」(北原白秋)、「涙」(竹久夢二)、「みぞれに寄する愛の歌」(大木惇夫)。
前半は、山田耕筰お馴染みの曲と、あまり歌われることの無い竹久夢二の歌曲を。

山田耕筰が敬愛していた アレクサンドル・スクリャービンのソナタ5番 Op.53 は、超絶技巧を要する難曲でありながら、スクリャービンのソナタの中では最もよく演奏される作品の1つです。
スクリャービン自作のエッセイ『法悦の詩 Le Poème de l'Extase』から引用された、次の一節が、タイトルに続き記されています。
私はお前を生へと招く神秘の力
創造の精神の深みに沈む
おどおどした生命の胎児よ
お前に今 私の大胆さを授けよう
客席は、石塚佳絵さんのピアノの世界に引き込まれました。

ベルリン留学を終え、モスクワでスクリャービンのピアノ演奏を聴いた山田耕筰は、帰国後、詩人 北原白秋に出会います。
白秋の「柳河風俗詩」(詩集『思ひ出』所載)から5つの詩をび、耕筰は歌曲集「AIYANの歌」を僅か5日間で作り上げたといいます。
その頃はちょうど今と同じ5月でした。

2部の初めは、ラ・ルミエールのコーラス。
誰もが知っている山田耕筰の童謡「赤とんぼ」「待ちぼうけ」、本居長世の童謡「赤い靴」「青い眼の人形」を披露しました。
この日のために、一人ひとりが準備を重ね、心を一つにしました。

2部後半のステージは、本居長世の歌曲「白月」、童謡「十五やお月さん」「七つの子」「四丁目の犬」。
野口雨情の詩による山田耕筰の童謡「烏の番雀の番」「狐の提灯」「カッコ鳥」そして、北原白秋の詩による名曲、私の大好きな「からたちの花」で終わりました。

コンサート『あのころVol.4 山田耕筰と本居長世』のプログラムを振り返ると、日本の貧しくも豊かな時代背景が浮かび上がってきます。
そしてそこにはいつも、一心に何かを守り続けた女性達の姿が浮かぶのです。
一日一生。
一日一笑。
一日一唱。
優しさは強さを呼び、強さは優しさを作る・・・。
沢山の感謝が、また新しい音楽を作る源になりますように。。。
ありがとうございました。。

2018年05月18日
山田耕筰の童謡〜コンサート『あのころVol.4』
大学で日本歌曲を学んだのは3回生になってからでした。
それまで、明けても暮れてもイタリアの歌曲やオペラアリア、シューベルトのドイツリートを歌い続けて来たせいか、母国語のはずの日本語の歌がなぜか、とても歌いにくくて困った事をおぼえています。
小林秀雄の『落葉松』から始まり、卒業試験の日本歌曲は信時潔の歌曲集「沙羅」でした。
今思うと素敵な歌を課題に与えてもらったと思います。
なぜか、学生時代は山田耕筰の曲は一度もレッスンを受けることはありませんでした。
ただ、まだ1回生のレッスンの時に一度だけ、「あなたは山田耕筰が合うわよ。やるならまず童謡からはじめるといいわね。」と、先生に言っていただいた事を、卒業してから10年以上たってふと思い出し、「青い小鳥」(川路柳虹 詩)の楽譜をパラパラとめくった日から、私の日本の歌の世界は広がっていきました。
『先生』というのは偉大な存在でした。
その生き方や、一言ひとことから、たくさんの事を学びました。
ひどく叱られて泣いたときも、お好み焼きを食べに連れて行ってもらった時も、決して越えられない境界線を、いつもいつも感じていました。
それがどれだけ大切なことだったか、今はよく解るような気がします。
私の山田耕筰を、もう聴いてはもらえないけれど、今はようやく、「褒めてもらおう」と思わずに歌えるようになりました。。。

カッコ鳥
野口雨情 詩/山田耕筰 曲
山でカツコ カツコ
カツコ鳥啼ないた
山でカツコ カツコ
あの啼なく声は
『雨の降る日にや
雨傘ほしや』
『暗くらい闇夜やみよにや
提灯ちようちんほしや』
山でカツコ カツコ
カツコ鳥啼いた
高い山から
里見て啼いた
カッコ鳥は、山奥の雨の降る日に鳴くと言われています。「雨の降る日にゃ雨傘欲しや」、「暗い闇夜にゃ提灯欲しや」という文からは木々に埋もれた山深い風景を、そして、歌とピアノが織りなす「カッコー」という鳴き声からは、言いようのない孤独感を感じさせます。
明後日20日、コンサート『あのころVol.4〜山田耕筰と本居長世』をよろしくお願いします。
2018年05月17日
本居長世の童謡〜コンサート『あのころVol.4』
十五やお月さん
野口雨情 詩/本居長世 曲
十五夜お月さん 御機嫌さん
婆やは お暇とりました
十五夜お月さん 妹は
田舎へ 貰られてゆきました
十五夜お月さん 母(かか)さんに
も一度 わたしは逢いたいな

「母を亡くして、慕っていた婆やは故郷へ帰り、小さい妹は遠い田舎にもらわれていった・・・」。
児童雑誌「赤い鳥」につづき、「金の船」で、本居長世は童謡のブームを巻き起こしました。
中でも、野口雨情の詩による長世の童謡は、一度聴いたら、その言葉とメロディーを忘れることはできません。
この「十五やお月さん」の詩には雨情の自伝的要素も含まれているので、その生き方や、詩にかけた情熱を知れば知るほど、歌う毎に切なさがつのります。
「ごきげんさん」という、本来ならば軽い声がけの言葉を歌う度、この詩に出てくる子ども達を、更に不憫に思うのはなぜでしょう・・・。
本居長世の娘みどりが、8歳の時に子どもらしい可愛い声でこの歌を披露し、みるみるうちに、ヒットし、後に「七つの子」「青い眼のお人形」などの名曲を、次々に世に送り出しました。
誰もが「ホッ」と心をなで下ろすようなあたたかい童謡を、日本の財産である童謡を、いつまでも歌い続けたいと、私は願います。
《「CD「野口雨情の童謡と民謡〜やがて土に」から 》
2018年05月16日
心の庭の花暦『赤とんぼ』〜コンサート『あのころVol.4』
赤とんぼ
三木露風 詩/山田耕筰 詩
夕焼小焼の赤とんぼ
負われて見たのはいつの日か
山の畑の桑の実を
小籠に摘んだは まぼろしか
十五で姐やは嫁に行き
お里のたよりも絶えはてた
夕焼小焼の赤とんぼ
とまっているよ竿の先

三木露風の故郷、兵庫県揖保郡龍野町(たつの市)で過ごした幼少時代への郷愁が、言葉の一つひとつに込められています。
何げない日常の風景は、幸せな時ほど当たり前に通り過ぎてしまいます。
ふと幼い頃の思い出が甦る瞬間こそが、心の中の自分自身と正直に向き合っている時かもしれません。
逢いたい人がいる。
話したいことがある。
見たいものがある。
行ってみたい場所がある。。。
ふるさとを離れた年月が長いほど、心の距離は近くなるように思えるのは、なぜでしょうか。

実家のそばの桑畑で、唇を紫に染めながら、お友達と摘んだ桑の実。
あれっきり一度も口にしたことは無いけれど、今もはっきりおぼえています。
鼻腔いっぱいに広がる酸味とほのかな甘さを。
「露風も好きだったんだ。。。桑の実」
コンサート『あのころVol.4』では、ラ・ルミエールのコーラス(伴奏:近藤しほり)でお聴きいただきます。
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2018年05月15日
心の庭の花暦『気まぐれ』〜コンサート『あのころVol.4』
柔らかすぎる花弁は、触れてはいけない高貴さを、
幾重にも重なるその様に、初々しさの恥じらいを漂わせています。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
堅く結んだ蕾の中に、女性は我が身の全てを隠し持っているのかもしれません。。。
《牡丹 花言葉「高貴」「恥じらい」》

気まぐれ
北原白秋 詩/山田耕筰 曲
逢ひげ来たちの
日の照り雨が降るわいな。
Odan mo iya, Tinko Sa!
しゃりむり別れたそのあとで、
未練な牡丹がまたひらく。
Odan mo iya, Tinko Sa!
『Odan』=「私」
『Odan mo iya、Tinco sa!』=「あたしゃもう厭だよ、まったく!」

むりやり別れた移り気な男への未練を、牡丹の花が開く様子にたとえています。
牡丹もまた、曼珠沙華同様に沢山の名前を持っています。
北原白秋の詩に登場する花々は、その詩の情景を語る重要なものであるように思えます。
2018年05月14日
心の庭の花暦『かきつばた』〜コンサート『あのころVol.4』
かきつばた
北原白秋 詩/山田耕筰 曲
柳河の
古きながれのかきつばた
昼はONGOの手にかをり
夜は萎れて三味線の
細い吐息に泣きあかす
「鳰のあたまに火ん點いた
潜んだと思うたらちい消えた」
ONGO(オンゴ)良家の娘
鳰(けえつぐり)
《かきつばた 花言葉「いつか幸せは来る」》

水辺に美しく咲くかきつばたの花。
昼はONGO(良家のお嬢様)の手に、夜はNOSKAI(遊女)の胸に抱かれ。。。
歌の最後、柳河の方言で歌われるのは童歌です。
『鳰(かいつぶり)の頭に火がついた、水に潜ったと思ったら、チョイと消えた』
日の暮れ時、遊郭の灯りがひとつ、またひとつと点りはじめる頃、、子ども達は無邪気な歌声とともに、家に帰ってゆくのです。
いつかはきっと幸せが来る・・・
そう信じて待つ女性の胸に抱かれる花は、どれだけの「諦め」と「溜め息」を、その柔らかな花弁に受け止めてきたのでしょう・・・
2018年05月13日
心の庭の花暦『曼珠沙華』〜コンサート『あのころVol.4』
娘がまだ小さい頃、家の敷地にポツポツと彼岸花が咲いていました。。。
「ダメ。それを掘り起こしてはダメって言ったでしょう。」
ーなんで?こんなにまん丸、かわいい。。。
「その根には毒があるんだよ。
紅いあかい花を咲かせる毒が・・・」
ー・・・・・うん。じゃあ、ちゃーちゃんと埋めよ。かわいそうだから埋めよ。なーいない。なーいない。。。
《曼珠沙華 花言葉 「悲しい思い出」「あきらめ」》

曼珠沙華
詩 北原白秋 曲 山田耕筰
GONSHAN.、GONSYAN 何処へゆく
赤いお墓の 曼珠沙華 曼珠沙華
けふも手折りに来たわいな
GONSHAN.、GONSYAN 何本か
地には七本 血のやうに 血のやうに
丁度 あの児の年の数
GONSHAN.、GONSYAN 気をつけな
ひとつ摘んでも 日は真昼 日は真昼
ひとつあとからまたひらく
GONSHAN.、GONSYAN 何故泣くろ
何時まで取っても 曼珠沙華 曼珠沙華
恐や 赤しや まだ七つ

「GONSHAN(ゴンシャン)」と繰り返される言葉が心に強く残る歌曲です。根に毒性を持ち、20近くの名前を持つ神秘の紅い花は、曲中、独特の香りを放ちます。諸説はありますが、幼子をなくしたGONSHAN(良家のお嬢様)の心は、同じ女性として、ただ「悲しい」という一言で片付けられるものではありません。
育った環境や身分は違っても、一心に曼珠沙華(彼岸花)を手折るGONSYANから、目を離すことが出来ずにいるAIYANの姿が浮かびます。
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「ダメ。それを掘り起こしてはダメって言ったでしょう。」
ーなんで?こんなにまん丸、かわいい。。。
「その根には毒があるんだよ。
紅いあかい花を咲かせる毒が・・・」
ー・・・・・うん。じゃあ、ちゃーちゃんと埋めよ。かわいそうだから埋めよ。なーいない。なーいない。。。
《曼珠沙華 花言葉 「悲しい思い出」「あきらめ」》

曼珠沙華
詩 北原白秋 曲 山田耕筰
GONSHAN.、GONSYAN 何処へゆく
赤いお墓の 曼珠沙華 曼珠沙華
けふも手折りに来たわいな
GONSHAN.、GONSYAN 何本か
地には七本 血のやうに 血のやうに
丁度 あの児の年の数
GONSHAN.、GONSYAN 気をつけな
ひとつ摘んでも 日は真昼 日は真昼
ひとつあとからまたひらく
GONSHAN.、GONSYAN 何故泣くろ
何時まで取っても 曼珠沙華 曼珠沙華
恐や 赤しや まだ七つ

「GONSHAN(ゴンシャン)」と繰り返される言葉が心に強く残る歌曲です。根に毒性を持ち、20近くの名前を持つ神秘の紅い花は、曲中、独特の香りを放ちます。諸説はありますが、幼子をなくしたGONSHAN(良家のお嬢様)の心は、同じ女性として、ただ「悲しい」という一言で片付けられるものではありません。
育った環境や身分は違っても、一心に曼珠沙華(彼岸花)を手折るGONSYANから、目を離すことが出来ずにいるAIYANの姿が浮かびます。
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