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Posted by 滋賀咲くブログ at

2017年12月31日

2017年に感謝を込めて。。。


2017年が終わろうとしています。。。






たくさんの出会い、
たくさんの学び、
たくさんの喜び、
たくさんの歌、

いつも私を支えてくれた人々に、心からの感謝をこめて・・・




《2月14日 米原市教育センターミニコンサート》



昨年11月のびわ湖ホール公演で発表した、立原道造の詩によるコンサート『SONNET』のショートヴァージョンです。




《2月14日 米原市女性の会「春の集い」コンサート》



米原市女性の会主催のコンサートでは、武満徹やフランス歌曲を披露しました。




《3月26日 立原道造の会「風信子忌」》



2017年度 立原道造の会「風信子忌」にて、道造の詩「また晝に」を朗読しました。


    Ⅶ また晝に

僕はもう はるかな青空やながされる浮雲のことを
うたわないだらう……
昼の 白い光のなかで
おまへは 僕のかたはらに立っている

花でなく 小鳥でなく
かぎりない おまへの愛を
信じたなら それでよい
僕は おまへを 見つめるばかりだ

いつまでも さうして ほほゑんでゐるがいい
老いた旅人や 夜 はるかな昔を どうして
うたふことがあろう おまへのために

さへぎるものもない 光のなかで
おまへは 僕は 生きてゐる
ここがすべてだ!……僕らのせまい身のまはりに
立原道造「優しき歌Ⅱ」



《5月4日 あのころVol.3》



三度目となった「あのころVol.3」では、念願だった映画の主題歌・挿入歌コンサートを開催しました。
来年の「あのころVol.4」では、山田耕筰の歌曲をたっぷりお届けします。



《6月25日 近江高等学校吹奏楽部 琵琶湖周航の歌コンクール出場》



パワフルな近江高等学校吹奏楽部のコーラスは、彼らにしかない音楽と、快いエネルギーを感じます。
来年2月の定期演奏会では、ソロを歌わせていただきます。



《9月24日 エンジョイ・ザ・バロック アウトリーチ「お寺DEコンサート」in 観音寺》



歴史あるお寺の佇まいと虫の声が、チェンバロの音を、いっそう研ぎ澄ませてくさました。



《9月30日 エンジョイ・ザ・バロック アウトリーチ「議場DEコンサート」in 米原市議場》



バロック音楽好きの方がたくさんご来場くださり、コンサート終了後もお話がはずみました。




《11月17日・24日 読み聞かせグループ「じーばーポコポコ会員研修ステップアップ講座」》



「読み聞かせ」の持つチから、奥の深さをメンバーの方々から、逆に学ばせていただきました!




《12月14日 エンジョイ・ザ・バロック アウトリーチ「やすらぎコンサート」&「バロックってなに?」》



米原認定こども園(子育て支援あゆっ子)、柏原小学校、一日に2カ所をまわり、コンサートを行いました。雪の中、たくさんのご来場ありがとうございました。



《12月17日 近江図書館クリスマスコンサート》



コーラスユウスゲ、ラ・ルミエール、エンジョイ・ザ・バロックコーラス有志によるクリスマスコンサート。
一年に一度、近江町はじめ米原市の皆さんに図書館で会える喜びを、かみしめました。


来年も全力で、音楽と生きていく私を、どうかよろしくお願いします。



  


Posted by 白谷仁子 at 16:02コンサートコーラス地域活動私。。。朗読

2017年12月29日

歌の花をさかせるために。。。



豊かなる
 山吹色の
  肉体を
やがて抱(いだ)くは
 白き恋人



《花梨 花言葉「豊麗」「唯一の恋」》





花梨の花を、わたしは見たことがない。
薔薇科の花梨は、その名の通り、梨の花のような可憐な花を咲かせる。

来年こそは・・・と思っていても、気付いたときには花の季節は終わり、山吹色のかたい実がコロコロと落ちている。
誰も拾わない花梨の実は、疲れ果てた心のカタチのようだ。

枯葉のベッドで、今はただ静かに眠ろう。
やがてその上に降りかかる白い雪さえ、心は花梨となって優しく受け止めるだろう。

春に歌の花を咲かせるために、ただ静かに眠ろう。。。






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Posted by 白谷仁子 at 22:59私。。。

2017年12月24日

Have Yourself A Merry Little Christmas。。。



Have yourself a merry little Christmas
Let your heart be light
From now on your troubles will be out of sight
Have yourself a merry little Christmas
Make the Yuletide gay
From now on, our troubles will be miles away





らくだ
「どうしたの?サンタさん。」

サンタ
「帽子の先っちょの白いポンポンをなくしちゃって。。」

かば
「それは大変!」

青い小鳥
「それは大変!」

サンタ
「この帽子じゃ、恥ずかしくてトナカイさんに会えないよ。。」

らくだ
「よし!みんなで探そうよ。」

かばと青い小鳥
「そうしよう!そうしよう!」



かば
「見つからないね。。。」

青い小鳥
「うん・・・もうずいぶん探したのにね。」

ーーそう話しているかばと青い小鳥のまわりで、なんだかとてもあまい香りがしてきました。かばは、あたりを見回すと・・・ーー

かば
「そうだ! いいことがあるよ。」

ーーかばと青い小鳥、ナイショ話をするーー

青い小鳥
「賛成!じゃあ、らくださんにもしらせてくるね。」



ーーらくだは、青い小鳥から話しを聞き・・・ーー

らくだ
「よし!ぼくにまかせておいて!」



ーーすっかり元気を無くしたサンタのところへ、花をかついだラクダとかばと青い小鳥がやって来ました。ーー

サンタ
「わぁ!どうしたの?そのお花。。ハチミツみたいな甘いにおいがするよ。」

らくだ
「かばさんと青い小鳥さんが見つけてくれたの。」

サンタ
「冬なのにこんな綺麗なお花が咲くなんて・・・」



かば
「ビデンスという花だよ。ウインターコスモスとも言われていて、ハチミツのような甘い香りで、春には蝶々さんたちがよってくるんだ。」

青い小鳥
「花言葉は《真心》だよ。」

サンタ
「真心かぁ・・・いいことばだね。」

らくだ
「サンタさん、その笑顔があったら、帽子のポンポンがなくったって大丈夫さ。今夜は世界中の人たちに、サンタさんの《真心》を届けてあげて!」

サンタ
「うん!大事なことを思い出させてくれてありがとう。」

ーーこうして、サンタさんはトナカイさんと出かけました。今頃、《真心》という冬の花をいっぱい咲かせている事でしょう。。。帽子にビデンスの花を乗っけて。。。ーー


Here we are as in olden days
Happy golden days of yore
Faithful friends who are dear to us
Gather near to us once more
Through the years we all will be together
If the fates allow
So hang a shining star upon the highest bough
And have yourself a merry little Christmas now
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Posted by 白谷仁子 at 21:09お花食べ物私。。。

2017年12月22日

何人のあなたを数えることができますか?。。。



あなたは、何人のあなたを数えることができますか?



《神秘的な月は誰からも愛される魅力を空に映し出す》





思いもよらない出来事に遭遇したり、
特に何もなく、ただただ一日が平穏すぎたり、
黙々と一つのことに打ち込んだり、
一生懸命に思い悩んだり・・・
生きていると、退屈している暇がない。

自分は一人しか居ないのに、
自分の中には数えきれないほどの自分が居る。

思い返すと、
「ふふふ・・・」と、
おかしくなってくることもある。

その中に、
一番好きな自分と、
一番好きでない自分がわかっていれば、
どんな自分が飛び出してきても、
あわてることはない。

マーク・トウェインの言葉。
「人にはみな月と同じように、だれにも見せない裏側がある」

だから人は人に惹かれるのだろう。。。
冬至を迎える頃になると、
今年一年の自分を思い返す。
一番好きな自分と、
一番好きでない自分が瞬間思い浮かぶのは、
この一年、たくさんの人と出会い、笑い、歌った幸せな日々があったからだろう。

あと2回眠るとクリスマス・イヴ。
そして2017年も終わる。

新しく迎える年のために、
一番好きな自分と共に歌い続けよう。。。















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Posted by 白谷仁子 at 21:33私。。。

2017年12月18日

近江図書館クリスマスコンサート〜人と人


「団員さん、みんな出てこられるかな。。。」
「昨年のように、今年もたくさんの人と会えればいいな。。。」

昨日、近江図書館クリスマスコンサートの朝、燦々と舞いおりる真っ白な雪を見上げながら、私は昨年の近江図書館クリスマスコンサートの風景を思い返していた。



《近江図書館のクリスマスシンボル、ビッグサンタさんとツリー》





私の心配は、どちらも嬉しくもはずれた。
元気いっぱいの団員さん達と、かたりべホールいっぱいのお客様。

コンサートは、近江図書館職員さんの挨拶からはじまった。








全員合唱「もろびとこぞりて」「あらののはてに」のあとは、ユウスゲさんの「あの素晴らしい愛をもう一度」から。。。






ユウスゲさんとの「あいだ」に感じるのは、私を若い頃から見守り、私の活動を、まるで我が子を愛でるように育ててくれた「愛情」だ。






つづいての登場は、ひと月後にエンジョイ・ザ・バロックのコンサートを控えたバロックコーラス団からの有志と、湖音登録メンバー〈ラ・ルミエール〉のみなさん。






とても元気で仲良しのみなさんとの「あいだ」に見えるのは、「つながり」という四文字。






コンサートが終わって、楽しくお話をするメンバーの間に、目には見えないけれど、小さな光を感じた。




   ねがひ
    八木重吉
人と人とのあひだを
美しくみよう
わたしと人とのあひだを
うつくしくみよう
疲れてはならない
重吉詩稿「ひびいてゆこう」









地球上の数えきれない人たちの中から出会った私たち。
結んでくれたのは、形の無い「音楽」。

心地良い温みの中で、私の心には、一つの短い詩が、何度も何度も誰かの声になって繰り返された。
人を「美しく見る」ことは、自分を大切にすることだと思う。

今年亡くなって90年。
来年が生誕130年になる八木重吉は、たったの5年に三千もの詩を残した。
いくつかの短い詩を読んだ瞬間、私は瞬間こころを持って行かれた。

「ねがひ」は、町田市立小中一貫ゆくのき学園に、その詩碑がある。

人が集うところには様々な思いも集う。
声を合わそう。
心を合わそう。
目を合わそう。
そうして、一日一唱。




コンサート前日、みんなで作ったポインセチア。
コンサートでは楽譜ファイルを可愛く飾りました。。。

みんな、ありがとう。。。



いよいよひと月後!
エンジョイ・ザ・バロックコンサート、ご来場お待ちしています!!!
http://otohitosato.shiga-saku.net/e1354127.html

  


Posted by 白谷仁子 at 17:18コンサートコーラス地域活動世界の歌

2017年12月16日

明日は近江図書館クリスマスコンサート。。。


今日は、明日開催の米原市近江図書館クリスマスコンサートのリハーサルだった。
音楽を作る上で、「積み重ねる」ことの大切さは、コーラス指導をするようになって更に感じる事が多くなった。
今日のハーモニーは始終わたしを幸せな気持ちにさせてくれた。

練習後、長浜市六荘公民館で開催された「あふみヴォーカルアンサンブル クリスマスコンサート2017〜いつでも夢を」に出かけ、素晴らしいハーモニーを聴いた。あらためて、人の声の神秘性を感じた。

お家に着いた時、午後8時半を過ぎていたが、私はすぐに、今日生徒さんにいただいたクリスマスのオーナメントを玄関扉に飾った。。。


《飾りはお菓子♡》





近江図書館かたりべホールで開催するクリスマスコンサートは、フラットなステージで、お客様もまるで一緒にステージに立っているような気持ちで楽しんでいただくもの。
明日のために、私は一つの提案をした。






優しいみなさんは、私の提案を受け入れ、素晴らしいチームワークで作業をしてくれた。





私も、手作業は得意な方だ。。。。





でも、私の出る幕はなかった。





さて、これは何でしょう。。






下を向いて黙々と作業する歌姫たちは、明日、近江図書館かたりべホールに集まるみなさんを笑顔でお迎え。
その時、何を作っていたのかがわかるでしょう。。


小さな折り紙を貼り合わせるように、歌声は少しづつ輝きを増していく。
折り紙を手から手へ。

そこにある笑い声は、やがて美しいハーモニーへと育って行くのだ。。。

米原市立近江図書館クリスマスコンサートは、午後三時から「かたりべホール」にて。
ご来場を心からお待ちしています。



  


Posted by 白谷仁子 at 22:38コンサートコーラス私。。。

2017年12月14日

アウトリーチコンサート「やすらぎコンサート」と「バロック音楽のワークショップ」。。。


昨日から降り出した雪は、早朝の空気を凍らせ、私の息を白く染めた。
今朝一番に見た伊吹山は、大きな大きなクリスマスツリーに見えた。。。








今日は午前と午後に、2つのアウトリーチコンサートを開催しました。

午前「やすらぎコンサート〜バロックの調べ」を米原市認定こども園子育て支援センターあゆっこに通う親子を対象に。
午後は米原市立柏原小学校にて、「バロック音楽のワークショップ〜バロック音楽って何?」を。



《米原市立柏原小学校》







ヘンデル、バッハ、ヴィヴァルディ、パーセル。
後期バロックを代表する作曲家について、また、バロック時代の楽器の説明をまじえながら、歌・バロックヴァイオリン・チェンバロの音色が、お遊戯室・音楽室に響きました。









聞き慣れない音色、初めて見る楽器、聴いたことのないアリア・・・
耳を澄まし、心を澄ます子ども達に、音楽の垣根などない。
音楽を楽しむのに「きまり」はないのだ。
好奇心と創造力があればそれでいい。
それを育てるのもまた、「音楽」なのだから。



《澤純子さんのバロックヴァイオリンと小林祐香さんのチェロで聴く「G線上のアリア」》





今日、米原市認定こども園に雪の中集まってくれた親子、そして柏原小学校の生徒たちの心に、「私たちの音楽」はどのように響いただろう。

「色んな試みの中から音楽と地域のつながり方が見えてくる」
そう強く心に感じた一日だった。








子ども達はいずれ大きくなる。
ある時ふと、肩をつかまれるように立ち止まって動けなくなるときがあった時、大人だと思っていた自分が、子どもの時のままであることに気付き、そのことが悲しくてたまらなくなる。

だけれど、それでいいのだと私はおもう。
胸をはって言えばいいのだ。

「私は子どもの頃の心のまんまだ!」と。。


愛すべき子どもたちへ・・
  好奇心と創造力と優しさと、そしてほんの少しのユーモアを持った大人になってください。。。








 しあわせのランプ
 詩:玉置浩二/須藤晃

しあわせになるために
生まれてきたんだから
好きな人と一緒にいなさい

大切なことなんか
わかってくるんだから
好きなことをやっていきなさい

それでもどうしても
やりきれなくなった時は

この空を見上げて
やさしかった頃のこと思って
なつかしくなったら
しあわせだって言って笑っていなさい

もしも君のランプがなけりゃ
闇に迷う人がいるよ
友達がいるように
家族や仲間がいるように
僕には君がいなけりゃ だめさ

この星を見つめて
めぐりあった頃のこと 思って
あいたくて たまんなかったら
淋しいよって言って 戻ってきなさい
しあわせになるために
生まれてきたんだから
好きな人と一緒にいなさい


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Posted by 白谷仁子 at 20:59コンサート地域活動世界の歌

2017年12月11日

近江図書館クリスマスコンサート。。。



クリスマスが待ち遠しいのは、
きっと子どもだけではないだろう。
この冬もまた一つ。
自分の為の愛らしいクリスマス・オーナメントが増える。。。








今年も近江図書館クリスマスコンサートの季節がやって来た。
コーラスユウスゲ、ラ・ルミエール、エンジョイ・ザ・バロック合唱団(有志)のコーラスでお送りする「かたりべホール」でのコンサートは、12月17日(日)の午後3時から。

◆プログラム◆
《コーラスユウスゲ》
あの素晴らしい愛をもう一度   北山修 詞/加藤和彦 曲
『愛する歌』から
きんいろの太陽がもえる朝に
雪の街
さびしいカシの木 やなせたかし 詞/木下牧子 曲

《元木祐斗》
日曜日 J.ブラームス

《ラ・ルミエール/エンジョイ・ザ・バロック合唱団》
アヴェ・マリア J.S.バッハ/S.グノー
主よ人の望みの喜びよ J.S.バッハ
ハレルヤコーラス G.F.ヘンデル

《白谷仁子》
アヴェ・マリア F.P.シューベルト
歌劇「妖精の女王」から
“さあ おまえたち、夜の歌い手よ”  H.パーセル

《全体合唱》
アヴェ・ヴェルム・コルプス  W.A.モーツァルト


アヴェマリアという歌は沢山ある。
合唱団が歌う、バッハ/グノーのアヴェマリアは、ラテン語の祈祷文が用いられており、大天使ガブリエルによる「受胎告知」の最初の2行が使われている。

今回私が歌うシューベルトの『エレンの歌第3番』アヴェマリアの詩は、スコットランドの詩人ウォルター・スコットの叙事詩『湖上の美人』の中のもので、物語の中、王から追われる身となったエレン・ダグラスが、聖母マリアに助けを求めて祈りの言葉を口ずさむもの。。。
メロディーの美しさはもちろんだが、私はこの歌曲のピアノのパートが好きでたまらない。
ピアノ右手パートの、階段を一段一段、天を仰ぎながら上ってゆくようなフレーズが大好きなのだ。


   Ave Maria

Ave Maria! Jungfrau mild,
Erhöre einer Jungfrau Flehen,
Aus diesem Felsen starr und wild
Soll mein Gebet zu dir hinwehen.

アヴェマリア 慈悲深きお方
どうかきいてください この乙女の祈りを
荒れた心を持つ者にも耳を傾け
絶望の縁にもがく者をお救いください

Wir schlafen sicher bis zum Morgen,
Ob Menschen noch so grausam sind.
O Jungfrau, sieh der Jungfrau Sorgen,
O Mutter, hör ein bittend Kind!Ave Maria!

あなたの深き慈悲と愛のもとで
安らかに眠らせてください
世から見捨てられ罵られても
ああ どうかきいてください この乙女の祈りを
すべてのものの母となり
どうかきいてください 子らの願いを








ウォルター・スコット『湖上の美人』の湖は、かつてのスコットランド王国の首都スターリング、トロサックス地方にある、美しきカトリーン湖のこと。
その美しさは、琵琶湖も負けてはいない。。。
どんな美しい風景を見ても、わたしにとっての一番は、やはり「琵琶湖」だ。

17日は近江図書館かたりべホールで、琵琶湖と共に暮らす「湖上のコーラス団」の歌声を。。。


  


2017年12月08日

心の中の部屋。。。



12月。
音楽室にはストーブのにおいが立ち込める。
冬休みを前に、音楽の授業では、毎年イタリア古典歌曲の代表とも言える「Caro mio ben(愛しい人よ)」の歌唱実技テストを行う。









初々しく、欲もなく、真っ直ぐな90名の若き歌声の「Caro mio ben」。

今しか出せない声。
今しか歌えない歌。
今しか感じないこと。
今しか出来ないこと。

自分にとって、それが当たり前のように与えられた特権だと思っていた高校生の頃の私は、やがてその「特権」を瞬間に無くすことも時にはあるなどとは、まるで夢にも思っていなかった。

今こうしていることが、奇跡だったのかもしれないと生徒らがいつか思ったとき、そこまでの道のりに「音楽」が寄り添っていたことに気づいてくれたら、けして多いとは言えない音楽の授業は、とても価値あるものだったと言える…と、実技テストを終えて、そんなことをふと思った。

今年は初めて、「Caro mio ben」にもう一曲、シューベルトの「Heideröslein(野ばら)」を加えて、選択制にした。
イタリア語とドイツ語。
暗譜で歌うハードルは、高校生にとっては高くはないかもしれない。

だけれど、今までにいちどたりとも、「おぼえて何になるの?」という声を聞いたことが無いということが、私には嬉しくて仕方ない。
初々しく、欲もなく、真っ直ぐに歌う子たちが、愛おしくてたまらないのだ。

歌声は誰のものも美しい。
心は取り出せて見えないから、声があり歌がある。

「おぼえて何になるの?」

聞かれたら、私はこう答える。

「自分の心の中に、安らげる部屋が1つ増えるんだよ。」と。









  Caro mio ben
     T.Giordani(1730 - 1806)

Caro mio ben, credimi almen,
senza di te, languisce il cor.
Il tuo fedel, sospira ognor.
Cessa, crudel, tanto rigor!

愛しい人よ、信じておくれ
君に会えず 恋焦がれる日々
君に忠実な男は ため息ばかり
どうか冷たくしないでおくれ



  


2017年12月04日

よりそえよ きみ。。。


秋はみじかい。
色とりどりのもみじを見上げるのは一瞬で、
見上げた空からは、じきに冷たい雫がおちてくる。









寒さも、
お腹も、
満たされることを許されなかった太平洋戦争のさなか、
愛する人の心を温め満たそうとうたわれたこの詩には、
暗闇の果てに見える小さな窓の灯にも希望を託す、
限りなく強い愛情を感じてならないのだ。。。





《福井県丸岡城の狭間からみた紅葉》




みぞれに寄する愛の歌
大木惇夫 詩 山田耕筰 曲

みぞれよ みぞれ 泣くなかれ
みぞれの中に灯つけ
よりそえよ きみ
暗ければ
わが待つは ばらさく日なり

みぞれよ みぞれ 泣くなかれ
あおざめ果てし夕ぐれを
よりそえよ きみ
歌いつつ
わが呼ぶは 緑の日なり

みぞれよ みぞれ 泣くなかれ
寒さの 飢えの迫るとも
よりそえよ きみ
夢見つつ
わがさすは 密ある日なり








もみじのじゅうたんが色をなくす頃、
みぞれは雪に変わる。

冷たい両手をあたためるのは、
ふかふかのミトンだろうか。
赤く燃えるストーブの火だろうか。
それとも、
「よりそえよ きみ」
と心に語りかける、
だれかの言葉だろうか。。。





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Posted by 白谷仁子 at 20:05コンサート日本の歌