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Posted by 滋賀咲くブログ at

2014年04月29日

うたふやうにゆつくりと‥‥

4月が風のように、あっという間に過ぎようとしている。
そして、あと1日で新しい5月が来る。


《4月の大河内山荘》





思いもよらず足をとめられることが、人間にはある。
そんな時、逆らわずに自分の意思でちゃんと立ち止まり、時に振り返ることができたら、「思いもよらないこと」も自分のこととして受け止めることができるような気がする。

珍しく何もない日、そんな時は、いつも以上にたくさんのことが割り込んできて、1日がぎゅうぎゅう詰めになってしまう・・・というより、きっと自分でそうしてしまうのだ。

そんな時は、お気に入りの詩集を無造作にひらき、3度声を出して読んでみる。
1回目は、ただただ読む。
2回目は、自分の為に。
3回目は、聞かせたい人に。。。

今日は、「うたふやうにゆつくりと‥‥」。
もちろん、私の大切な詩人、立原道造の詩だ。



   うたふやうにゆつくりと‥‥
      立原道造

日なたに いつものやうに しづかな影が
こまかい模様を編んでゐた 淡く しかしはつきりと
花びらと 枝と 梢と――何もかも……
すべては そして かなしげに うつら うつらしてゐた

私は待ちうけてゐた 一心に 私は
見つめてゐた 山の向うの また
山の向うの空をみたしてゐるきらきらする青を
流されて行く浮雲を 煙を……

古い小川はまたうたつてゐた 小鳥も
たのしくさへづつてゐた きく人もゐないのに
風と風とはささやきかはしてゐた かすかな言葉を

ああ 不思議な四月よ! 私は 心もはりさけるほど
待ちうけてゐた 私の日々を優しくする人を
私は 見つめてゐたーー風と 影とを……



4月が風のように過ぎたあと、それぞれの5月がやってくる。
爽やかな五月が。。。






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Posted by 白谷仁子 at 14:04食べ物立原道造

2014年04月26日

言葉。。。



言葉は神秘的だ。
その時それが真実なのか、そうでないのか・・・本当のところはわからない。


《ドウダンツツジ 花言葉「素直な告白」》




メールは便利だ。
こちらの思いを時間をかけて文章にして相手に届けることが出来る。
その時、相手の目を見ることも、そして見られることもないコミュニケーションだ。。。
時として、会うよりももっと、相手を知ってしまう時がある。

人は、心の中の全てを言葉にすることはあまりないだろう。
何かを伝えた後に、「だけどホントはね・・・」という続きが、実はあったりする。

「以心伝心」という言葉があるけれど、何気ない小さな言葉から、お互いがわかり合える事のほうが、何だか素敵に思える。

笑顔でいても寂しい時はある。
悲しいからこそ、明るい言葉しかでてこない時もある。。。

そんな時でも、ちゃんとわかってくれる人が、たった一人いてくれれば、ありのままの自分を大事にできるのだと思う。




言葉
竹久夢二

いつか忘れてゐた言葉
あなたが拾って持っていた
いくねんまえの 春だった




竹久夢二生誕130年の今年、8月16日(土)に、2010年開催のコンサート「竹久夢二〜戀する歌」に続く第2弾、「竹久夢二生誕130に寄せて〜儚き夢」(Piano:竹中直美)を、滋賀県立文化産業交流会館 小劇場(米原市)にて開催。
夢二の詩の世界と、作曲家たちの熱い想いを歌に込めて。。。

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Posted by 白谷仁子 at 20:49私。。。

2014年04月24日

日常。。。

幸せの後の日常は、わけもなくもの悲しい。
悲しみの後の日常は、言いようのない安堵感でつつまれる。

生真面目に、そして同じように訪れる日常が、私は時々、気の毒になる。。。

川原の菜の花たちは、幸せの後も、悲しみの後も、優しく美しく心に届くから不思議だ。
それは菜の花だけでなく、この世のお花たち全部にいえることだ。

せめて、どんな日常の中にいても、立ち止まって花を見つめる時の自分だけは、変わらずにいたいと思う。。。







幾つものかなしみの後で
僕は知ってゐる
日曜日のあとには
月曜がくるのだと。
「ノート」1933年

立原道造




  


Posted by 白谷仁子 at 23:49私。。。

2014年04月19日

明日は『北の音楽祭』。。。


たくさんの人がいる。
顔も、癖も、性格も、みんな違う。

だけど、音楽を愛する気持ちは、みんな「ひとつ」だと思う。


ホールに集まった人たちは、ステージの音に耳を澄ます。
その瞬間、空間は「ひとつ」になる。

明日は『北の音楽祭』。
私も、その空間を、大切な人たちとともに。。。






そして、生まれ来る新しい命たちと、青い空に想いを込めて。。。




  


Posted by 白谷仁子 at 22:43コンサート

2014年04月16日

さくら。。。


道ばたの桜が終わる頃になると、山桜が「私の番!」と言わんばかりに山々を彩る。。。

綺麗な桜をみながら「山桜はまだかしら・・・」とつい遠くに目をやる私。









八木重吉

綺麗な桜の花をみていると
そのひとすじの気持ちにうたれる








どんなに忙しくても、
春は私に「季節を愛でる心」を思い出させてくれる。。。



  


Posted by 白谷仁子 at 00:05お花

2014年04月11日

ようこそ。。。


どの自分が好き?

嫌いなのはどの自分?



《シデコブシ(コブシ)花言葉「歓迎」》




人は、たった一つしかない体の中に、いったいどれくらいの自分を持っているんだろう。
ある時、ふとしたきっかけで、新たな自分に遭遇することがある。

遭遇した自分が、自分の理想のタイプの時、それはとっても気持ちがよいものだ。
だけれど、時に、遭遇したのが全くタイプでない、むしろ嫌いなタイプの時もある。

そういう自分を、今までどれくらい見てきただろう。
どんな自分にも、やさしく手を広げて、「ようこそ。。。」と言える自分が、いつも一番大きな「自分」であればいいのだと、最近思えるようになった。
空に向かって両手をひろげる「シデコブシ」のように。。。




どの自分が好き?

「答えは・・全部の自分。」










  


Posted by 白谷仁子 at 23:31お花

2014年04月09日

入学式。。。


桜の花の下を、真新しい制服姿の高校生たちが行き過ぎる。
運転席の窓から見るその学生は、一目で新1年生とわかる。。。


《荒神山のソメイヨシノ》




4月8日。。。
県内では高校の入学式が行われた。

何度ピアノを弾きに行っても、新鮮さは毎年違う。
ピアノの前に座り、新入生の入場をまつ。

ステージの上には、毎年、趣味の良い花が生けられる。
今年は、ミツバツツジの淡い紅紫が、生けられた花々を、ひときわ春色に演出していた。

1年はあっという間だ。
その短い時間の中で、いつか大人になった時の懐かしい記憶を作ってあげたいと、いつも思う。。。
そのシーンは、生徒が100人いれば、100とおり・・・。

新しい春。
それは何度迎えても、真新しい制服のような匂いがする。。







  


Posted by 白谷仁子 at 20:23非常勤講師のお仕事お花

2014年04月04日

ASEEDONCLOUDのワンピと向日葵の種。。。


かわいい藍色のCottonワンピを見つけた。。。
家に連れて帰ってから、タグを見て、好きなブランドだったことに気付いたのんきな私。






ASEEDONCLOUD。。。
「職業」のライフスタイルからインスピレーションを得ているというコンセプトが何だかいい。

もう一つ、クローゼットにしまう前に気付いたこと。
タグの中に、向日葵の種が二つ!!!
初めての体験だった。。。

藍色のCottonワンピが、どんなインスピレーションから生まれたのかが、手に取るようにわかる。

それにしても・・・何も考えず、安心してお買い物が出来るのは、お店に対する「信用」それだけだ。

リバーサイド橋本(商店街)の、カーロ アンジエロさん。。。

向日葵はどんな色の花をつけるだろう。
カーロ アンジエロさんにあるような、私の心には、おしゃれな向日葵がうかんだ。。。


  


Posted by 白谷仁子 at 20:22私。。。

2014年04月03日

トゲトゲ。。。

人間の心には、いったい、いくつのお部屋があるのだろう。


優しい気持ちになったり、弱気になったり、時として、納得しようとしている自分の気持ちをわざとかき混ぜたり・・・。
誰も寄せ付けたくないような・・まるで心をトゲトゲのサボテンのようにしてしまったり。


   《王冠竜》




トゲトゲの中から、黄色い可憐な花が咲いているのを見ると、まるでその王冠竜が、人の心みたいに見える。
きっと、花の数と同じ位、心にはお部屋がある気がする。

揺れることなく、乱れることないお部屋ばかりだったら、人は震えるような感動も、溢れるような愛情も持たないだろう。。。



  《うちの敷地で今日見つけたスミレ》




可憐なスミレのようなお部屋も、トゲトゲの中からレモン色の花を咲かせる戸惑いのお部屋も、どちらも自分の心にあるのだと、認めなくてはならないことがある。

どちらのお部屋も自分の大切なお部屋だと、いつになったら自然に思えるのだろう・・・と、ほんのちょっと落ち込むことで、心のバランスをとる自分がいる。

「ファイト!ファイト!」と賑やかに花を咲かせるお部屋に、ほんの少し身をおいて。。



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Posted by 白谷仁子 at 21:53お花私。。。

2014年04月01日

樹木の影に 。。。




この季節になると、緑や土の匂いが、ひときわ目立つ。
早くおいで・・・と言わんばかりに、陽だまりの温もりを漂わせながら。。。







樹木の影に

日々のなかでは
あはれに 目立たなかつた
あの言葉 いま それは
大きくなつた!

おまへの裡に
僕のなかに 育つたのだ
……外に光が充ち溢れてゐるが
それにもまして かがやいてゐる

いま 僕たちは憩ふ
ふたりして持つ この深い耳に
意味ふかく 風はささやいて過ぎる

泉の上に ちひさい波らは
ふるへてやまない……僕たちの
手にとらへられた 光のために

立原道造《優しき歌Ⅱ》より



木々に柔らかい緑が芽生えはじめる頃になると、私は、大好きな立原道造の『優しき歌 II 』を最後まで読みたくなる。
ほとんど憶えているけれど、活字を眼で見ることは、目を閉じているときよりも逆に、そのままの情景を、鮮明に作り出せる気がするから、私は本を開き、詩を読む。
何よりも心が高揚するのは、9番目の「樹木の影に」。
とても穏やかで、心が平和になる

私が一番好きな「夢みたものは」へと導くこの詩が、私は大好きなのだ。
「樹木の影に」を歌う事の出来る幸せを、今、とても感じている(柴田南雄/曲)。

人間の心に居座ってしまうことのある、様々な思いなどは、大自然の中では何の権利も持たない。。。

そう思わせてくれる言葉に、メロディーに、かなうものはない。




  


Posted by 白谷仁子 at 20:29日本の歌立原道造