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Posted by 滋賀咲くブログ at

2016年01月31日

春が来た?!。。。


春が来た?!。。。
そう思ったのは私だけではないはず。

雪の下にかくれていた水仙も、チューリップの芽も、「春が来た?!・・・」と胸をおどらせた一日だったに違いない。

今日の伊吹山は、粉砂糖を振りかけたガトーショコラ。
いつもより優しげに見えたのは、お空の色のせいかしら。。。








伊吹山に向かって真っ直ぐに伸びている道を、自転車で痛快に走り抜ける自分を想像した。
考えても出口の見つからないことや、言っても仕方のないことはみんな、なびく髪の毛の先からどこかへ飛んでいってしまうだろう。

春が来た?!。。。
そう思ったら、心をお外に連れ出そう。。









そんなことを思い出させてくれた、春のような一日だった。。。




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Posted by 白谷仁子 at 21:20私。。。

2016年01月27日

屋根の向こうに。。。

私が初めてGabriel Fauré の「Prison」を聴いたのは、大学4年の時だった。
卒業試験の練習が煮詰まり、全く違うものを聴いてみたくなった私は、大学の図書館でFauréばかりを聴きあさった。
なぜFauréなのか・・・
授業で習った Fauré の Requiem ニ短調作品48 が、その頃とてもお気に入りだったからだ。

『上手になるには練習すればいい』
当たり前の言葉のようだが、その頃は、練習すればするほど、どんどん下手になっていくような気がして滅入っていたのだ。

歌曲の中に、 Prison(牢獄)という題名を見つけた。
タイトル、メロディー、そしてフランス語の美しさに、ただただ酔いしれ何度も聴いたのをおぼえている。

最近、Paul Verlaine の詩集を読んでいて、それが『Le ciel est, par-dessus le toie(屋根の向こうに)』と結びついた。

屋根の向こうに広がる空の色は、青くもあれば赤くもある。。
かわいらしい悩みを抱えていた学生時代も、その時は小さな鉄格子の小窓から、必死に屋根の向こうを見上げていたに違いない。









屋根の向こうに
   空は青いよ、空は静かよ!

屋根の向こうに
   木の葉が揺れるよ。

見上げる空に鐘が鳴り出す。
   静かに澄んで。
見上げる木の間に小鳥が歌う
   胸のなげきを。

神よ、神よ、あれが「人生」でございましょう
   静かに単純にあそこにあるあれが。
あの平和なもの音は
   市(まち)の方から来ますもの。

――どうしたというのか、そんな所で、
   絶え間なく泣きつづけるお前は、
一体どうなったのか
   おまえの青春は?

〜ヴェルレーヌ詩集 堀口大學 訳 新潮文庫〜
   



閉ざされた中にいてもなお、その心の空は青く澄み、木の葉は揺れる。
今改めて自分が歌うとき、「本物の窓をたった一つ持つ」(堀口大學の解説より)ことで、どれほど自分が強くなれるかという事を、改めて感じずにはいられない。。。




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Posted by 白谷仁子 at 21:55

2016年01月24日

しめやかに。。。


この冬一番の寒さ・・・

朝6時。
心して開けた勝手口。
目の前に雪はなく、吹き込む風は冷たくて
あわててドアを閉めた。

「しめやかに降る雪というのは
どんな雪だろう。。。」
そんな事をふと思った。

子供の頃から、色んな雪に出会って来た。

雪だるまを作る私の睫毛に、まっては瞬間に溶けていった雪、
小学校の帰り道、頬に突き刺さった針のような雪、
その感覚は、ちゃんと体が覚えている。

しめやかに降る雪。。

それは空からではなく、心に降る雪?・・・








   生い立ちの歌
   (第一連)

   幼 年 時
私の上に降る雪は
真綿のようでありました

   少 年 時
私の上に降る雪は
霙のようでありました

   十七〜十九
私の上に降る雪は
霰のように散りました

   二十〜二十二
私の上に降る雪は
雹であるかと思われた

   二十三
私の上に降る雪は
ひどい吹雪とみえました

   二十四
私の上に降る雪は
いとしめやかになりました……

〜中原中也 『山羊の歌』から〜
「中原中也 詩集」河上徹太郎編 角川文庫







  


Posted by 白谷仁子 at 19:27自然

2016年01月22日

いくつになっても。。。


いくつになっても
どんなに身体が大きくなっても

寂しがったり、つまんなかったりする時
「いいこ いいこ」ってしてほしいのは
小さいときと変わらないのでしょうね。。。


《神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール「ジャムおじさんのパン工場」のパン》





もしも、、、
いつも人にばかり「いいこ いいこ」ってしている人がいたら、
時々は、その人に「いいこ いいこ」してあげましょう。

たとえそれをジョーダンみたく笑っていたとしても
その人にとって、それはとても嬉しい事だと思うのです。。。

いくつになっても。。。
子供心は消えてはしまわないと
私は思うのです。。。




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Posted by 白谷仁子 at 23:38食べ物私。。。

2016年01月19日

その言葉に心を預け。。。

いつの頃からだろう。。。
詩を読むようになったのは。

電車に乗っている時間、
病院の待ち時間、
レッスンの空き時間、
バッグの中の小さな単行本に手が伸びる。

たった数行の詩は、心の中の小さなホコリを綺麗にお掃除してくれる。
心の裏側を見る眼を覚ましてくれる。








      花言葉

赤き薔薇 白き薔薇 盛れる薔薇は
    よろこびの花。

忍冬 花の環を 高くかざすは
    愛のはなとや。

ほのかにも 甘き香の ヘリオトローブ
    望みの花よ

光りなす 白百合の 高く直きは 
    姫御前の花。

わびしくも パンジイの 色はおぼろに
    思ひ出の花。

濃菫の かぐはしく 匂へるものを
    死の花といふ

〜クリスティーナ・ロセッティ(入江直祐 訳)
岩波書店『クリスチナ・ロセッティ詩抄』より〜









詩人の言葉に心を預けてみるのも、
たまにはいい。。。



バレンタイン企画 詩の朗読会『詩に恋をして』

イギリスの女性詩人 クリスティーナ・ロセッティ(1830〜1894)とロセッティから影響を受けた日本の女性詩人 金子みすゞ(1903〜1930)の詩を取り上げ、自然詩対する眼差しや女性の生き方を感じ取り、美しい映像を観ながら、声に出して朗読します。

2月13日(土)午後2時から
ルッチプラザ スタジオ310
講 師 :白谷仁子
申 込 :図書館カウンター
参加費 :無料
持ち物 :筆記用具
お問合せ :米原市立山東図書館 0749-55-4554

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Posted by 白谷仁子 at 22:52

2016年01月15日

音の色。。。


ひとつの音
その音のもつ色は、けしてひとつではない。。。

忘れもしない、小さな色えんぴつのものがたり。






小学3年生・・・
新しいクラスになったばかりの春、
教室では「お絵描き」が流行っていた。

その頃私がどうしても欲しかった
24色の色えんぴつ。。。

買ってもらった次の日、
ランドセルの中の色えんぴつは
嬉しげにカタカタと音をたてていた。

お昼休み、お友達の一言に
私の心は簡単に折れた。。

「使わない色の方が多い・・・」

がっかりして帰って来た私に言った母の言葉は
一瞬にして私の心を好奇心でいっぱいにした。

「葉っぱの裏を見て来てごらん。」

庭の花壇に茂る青々とした緑の裏は、
白くくすんだ柔らか緑。
お日さまが当たっているところは、また別の色。

見えない色が見えるようになると、
描く絵も変わってくる。
使う色も増えてくる。

音楽もおなじ。。。

小さな手が奏でる音も
次第にその色を増やしていく。

それが聴き分けられようになると
音楽はもっと楽しくなる。






いつか・・・
自分の色えんぴつで描く音に
ぺたぺたと色とりどりのマスキングテープを貼って
私の手を離れていく日まで
たくさんの「音色」に耳を澄ませようね。。。

ひとつの音
その音のもつ色は、けしてひとつではない。。。
そうわかるまで。






  


Posted by 白谷仁子 at 23:49音楽教室私。。。

2016年01月14日

お茶しよう。。。


紅茶に凝った時期がある。。。
とある理由から、一年間珈琲を断ったからだ。

大好きなものを断つことは、とても勇気がいる。
何かに打ち込むことで、その存在を忘れられればと、
私は紅茶に夢中になった。

中でもお気に入りはWhittard で、当時日本で発売されていた物はほとんど口にした。






フレーバーティーで作るロイヤルミルクティーには、ちよっと自信があるが、茶葉の開くタイミングとか絶妙な温度を考えると、「飲みたい」と思う自分のために作るのが、一番美味しいと思う。
明治の小説家「尾崎紅葉」も大好きだったらしい《紅茶ミルク》は、蒸らす時間や選ぶミルクなど、とても奥が深い。。。

最近は、お友達からいただく紅茶を大事に美味しくいただいているが、時折、紅茶だけを選びに買い物に行きたくなる。
それは、自分の大切な時間を買いに行くのと同じくらい、幸せな時間だ。

春・・・楽しみにしている美術館へのお散歩に、紅茶えらびをオプションしてみようかと、密かに考えている。。。




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Posted by 白谷仁子 at 23:43私。。。

2016年01月13日

白い月が森に照り。。。


どんなに遠くにいても
すぐ隣にいても
みる月はおなじ。

当たり前だけど
当たり前でない。

透けるような白い月は
とてもせっかちだから
ほんの少しよそ見をしてるうちに
高い高いところにいってしまう。

だから・・・
どんなに遠くにいても
すぐ隣にいても

心をつないで見上げましょう。。。









白い月

白い月が
森に照り、
どの枝からも
洩れ出る声
梢のしたで・・・

おお、愛するひとよ。

奥深い鏡のように
池は映す
風が泣く
黒々とした
柳のかげを・・・

夢みよう、いまはそのとき。

広大な、やさしい
想いが
降ってくるよう、
月の光に
虹色に染まった空から・・・

えもいわれぬ恍惚のとき。

詩 ポール・ヴェルレーヌ 訳 栗津則雄


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Posted by 白谷仁子 at 23:23私。。。

2016年01月12日

仰げば尊し。。。


「人」の周りには「人」がいる。
好きな人、ニガテな人、こわい人、気になる人、大切な人・・・

まぎれもなく、そういう自分もだれかの「○○な人」なのだ。。。







冬休みが終わると、ひと月ふた月はあっという間に過ぎていく。
3学期の授業が始まると、早々と卒業式歌の練習に入る。

毎年この時期練習を始める「仰げば尊し」。
この明治時代に発表された唱歌は、当時のものとは少し雰囲気の違う、オシャレな8分の6拍子で、「埴生の宿」や「アニーローリー」などのイングランド民謡やスコットランド民謡を思わせる。
最近になって、アメリカの「Song for the Close of School」という歌が原曲であると言われているが、明治の時代から大切に歌い継がれて来たこの唱歌を、これからも学生に歌い継いでほしいと私は思う。



仰げば尊し

仰げば尊し わが師の恩
教えの庭にも はや いくとせ
おもえば いと疾し このとし月
いまこそ 別れめ いざさらば

互いに むつみし 日ごろの恩
わかるる後にも やよ 忘るな
身をたて 名をあげ やよはげめよ
いまこそ 別れめ いざさらば

朝夕 慣れにし 学びの窓
蛍のともし火 つむ白雪
忘るる まぞなき ゆくとし月
いまこそ 別れめ いざさらば



「わが師の恩」。。
自分の周りには、「師」がいっぱい・・・

好きな人・・・楽しい。
ニガテな人・・・困る。
こわい人・・・嫌。
気になる人・・・興味。
大切な人・・・その存在だけで嬉しい。。。

「あの人にとって、自分はどんな人なのだろう・・」
そう考えさせてくれる「あの人」も、自分にとっての「師」なのかもしれない。。。

学校という小さな社会の入り口で、学生が学ぶ事はとてもたくさんで、時には背負いきれずに倒れ込んでしまう事もある。
でも、うんと年月が経ち、大人になってみると、ニガテだった人やこわかった人から自分が学んだ事は、あまりにも大きい。

明治、大正、昭和、平成・・・
変わる事のない言葉とメロディーは、変わっていく時代の中で学生たちを、ひっそりと見守って来たのだ。




  


Posted by 白谷仁子 at 22:14非常勤講師のお仕事うた

2016年01月11日

おまじないの唄。。


新しい年になり、10日が早々と過ぎていった。
庭のユキヤナギが何を思ったか白い花をつけた。

暦が真ん中を過ぎた頃、急に時の刻みが早くなる。

「忙しい・・・」という前に、おまじないの唄を3度。
すると不思議な事に、急いた心が平和になる。

だから私はこの頃に、おまじないの唄を3度読む。。。







〜立原道造〜

貧乏な天使が 小鳥に変装する
枝に来て それはうたふ
わざとたのしい唄を
すると庭がだまされて小さい薔薇の花をつける

名前のかげで暦は時々ずるをする
けれど 人はそれを信用する




時々ずるをする暦。。。それを操っているのも、実は人だったりする。。。

  


Posted by 白谷仁子 at 22:43私。。。