
2022年01月10日
玉樹の花は開く、白砂に、清らかに。
玉 樹
雪 山 万 重 鎖 僊 郷
玉 樹 花 開 隔 渺 茫
白 石 青 苔 明 月 上
幾 生 修 得 掬 霊 香
〜岡倉寛三(天心)がブリヤンダバに送った漢詩〜

玉樹
人跡の踏むを許さぬ断崖のかなた、ヒマラヤの氷の胸に安らかに抱かれて
玉樹の花は開く、白砂に、清らかに。
くりかえしくりかえし、幾つの生を重ねつつ
恍惚たる幻境のなか、月光照らす石上の
冷たい苔に坐らねばならないのだろう、
いやはてに ー くまなく霊は浄められ、
聖なる花の香しい露を啜るそのときまで。
〜岡倉寛三(天心)の英訳を元に大岡信が訳〜
その人が、自分にとってかけがえなく清らかで、
手の届かない次元の世界にいても、
力強く、決してあきらめることなく・・・
共に清らかに生きようとする勇気を、わずか二十八の漢字が語っている。。。
2022年01月09日
心如淵泉、2022年を迎えて。。。
『心如淵泉』
ー 心深い泉の如く深く落ち着いている ー
22年、新年を迎え、ありがたき書の文字に出会った。
ひこね文化デザインフォーラム主催の「文化サロン〜四方山談義」は今日が第1回目。
書家の松宮忠夫先生のテーマ「文字(言葉)を書くことで自分を掘る」は、「私の昨年の言葉」を深く考えるきっかけとなった。
言葉は心とリンクしている。
この歳になると、いやでもそれが見えてしまう。
リズムよく綺麗な言葉を並べると、耳には心地よいが心に入ってこない。
誠実でいようとすると、時に誤解を招く。
言葉はいつも重要なキーワードとなる。
人と繋がることは面倒で、だけれど、それ以上にあたたでありがたい。
私は人が好きだ。
言葉が好きだ。
だから、歌が好きなのだとおもう。
大好きな着物を、しばらく着なかった。
大好きな歌も、昨年は十分の一も歌わなかった。
家に帰って、深呼吸して書いて見た。
『心如淵泉』。
世の中が色を変えても、変わらない自分でいるために。
新しい年をスタートさせよう。。。