
2014年01月31日
木の眼。。。
冬
木に眼が生って人を見ている
八木重吉『貧しき信徒』
木に眼が生って人を見ている
八木重吉『貧しき信徒』

一月がもうすぐ終わる。
新しい年が始まって、もう、ひと月が過ぎていった。
この1ヶ月、沢山の人と話した。
人と繋がりを持てる時は、そうでない時よりも、ずっと時間が長く感じるから不思議だ。
その人の人生の、わずか数分でも、自分の中に取り入れてしまうからだろうか。。
自分が頑張れないときに、「頑張れっっ!」と子どもたちに声をかける。
自分のことを棚に上げて、「大丈夫っ!元気出しましょっっ!」と友達を励ます。
そのくせ、自分の事は、自分が一番わかってないような。。。
木はいつも冷静に、近寄る人を見ているのだろうか。
誰かがいつも、自分を見ていてくれると思うと、
不思議だけれど安心する。
自然の植物の凄さは、私の知ってる数倍あるように思える。。。
Posted by 白谷仁子 at
23:50
2014年01月29日
仲良しヒヨドリ。。
ひよどりや霜の梢に鳴き渡り
〜惟然(江戸時代の俳人)〜
〜惟然(江戸時代の俳人)〜

甘いもの好きのヒヨドリが庭にやってくる。
お目当ては、庭の果実や花の蜜。
鳥好きの私にとって、空を自由に飛びまわる小鳥たちを見るのもまた、楽しみの一つだ。
この冬はまだ、愛用の双眼鏡を持って、水鳥を見に行ってはいないけれど、里にもちゃんと鳥さんはやってくる。

ヒヨドリは「ピーヨ、ピーヨ」と鳴く。
平安の時代には、ペットとして人に飼われていたヒヨドリ。。。
愛らしい風貌に、遠い昔の人も惹きつけられたのだろう。

写真の奥にもう1羽、仲良しのヒヨドリの姿。
人も鳥も、植物もみんな・・・仲良し同士は元気が出る。
いつも一緒にやってきて、甘い果実を仲よく食べる。
何を話しているんだろう。。。
きっと、他愛ない話にきまってる。
仲良しだから、きっと沢山の言葉はいらないのだろう。
「ピーヨ、ピーヨ」と声かけ合って、厳しい冬を越すのだろう。
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2014年01月27日
一麦保育園『 園歌』披露。。。
自分がどんな心でいる時も、ふるさとの山はいつも変わることなく温かい。。。
《一麦保育園の園児から送られた、手作りの椿の花籠》

一麦保育園 園歌
詩/曲 : 白谷仁子
1
一粒の麦を
よくみてごらん
仲よく手をつないで
うたっているね
ほら!
ヤッホー! ヤッホー! ヤッホー!
呼んでいるよ
いつもみんなはともだち
一麦保育園
2
春のそよ風と
夏、光るびわ湖
秋の山本山
冬の水鳥
ほら!
ヤッホー! ヤッホー! ヤッホー!
待っているよ
ずっとみんなのふるさと
一麦保育園
今日、湖北町山本の一麦保育園で、園歌の披露会があった。
一麦保育園は、昭和36年に私立のカトリック保育園として誕生し、以来ずっと地域の人々に親しまれてきた。
昭和57年に町立となり、昭和61年に今の場所に移転。
この間、一麦保育園には「園歌」がなかったが、今年度、初めて作られることになった。
すぐ側には山本山、野鳥センター、園は田園風景に囲まれた、自然豊かな場所にある。
光栄にも私は、その一麦保育園の「園歌」を作らせて頂く事となった。。。

披露会では、3歳児・4歳児・5歳児、合計37名(今日は2人お休み)の園児に、歌唱指導をした後、元気に一緒に歌った。
私の耳には、子供達の爽やかな透き通るような声が、今も鮮明に残っている。
最後に、園児からのお礼の言葉と、「ゆげのあさ」の合唱、そして、折り紙で作った綺麗な椿の花籠をプレゼントしてもらった。
「この子達にとって、ふるさとがいつもあたたかく優しい場所でありますように。。。」
私は心から祈った。
演歌が完成するまで温かく見守っていただいた職員の方々、そしてお忙しい中、今日の「披露会」に足を運んで下さったご父兄の方々に、感謝の言葉を・・・。
『素敵な一日を、ありがとうございました。』
2014年01月26日
伴奏合わせ。。。
〜話したいことよりも何よりもたゞ逢ふために逢いたい〜
―笠井彦乃に宛てた竹久夢二の手紙からー
―笠井彦乃に宛てた竹久夢二の手紙からー
《2010年9月18日 「歌と朗読で綴る 竹久夢二〜戀する歌」》うた:白谷仁子 ピアノ:竹中直美

今年になって初めての伴奏合わせ。
歌い手にとって、共に音楽を作ってくれるピアニストはとても大切な存在だ。。。
野口雨情CD「やがて土に」のパートナーでもあるピアニスト、竹中直美さんとの初合わせは、『竹久夢二』の歌曲。
彼女との「夢二歌曲歴」は、もうすぐ4年目になる。
私にとって、大きな転機となったコンサート、「歌と朗読で綴る 竹久夢二〜戀する歌」がその第1回目。
竹久夢二生誕130年の記念すべき今年、私達は3度目となる、竹久夢二のコンサートを開催する。
今日はそのための、第1回目の伴奏合わせ。
『街灯』 竹久夢二 詩/澤田柳吉 曲
『雪の扉』 竹久夢二 詩/澤田柳吉 曲
『わすれな草』竹久夢二 詩/藤井清水 曲
今回は、前回プログラムにこの3曲をはじめ、数曲を新たに加える予定だ。
夢二がこの世に誕生した秋・・・私の「新しい夢二」を表現したい。。。
〜話したいことよりも何よりもたゞ逢ふために逢いたい〜
言葉は時に、真実を覆す・・・
そして言葉は時に、悲しいまでに真実のしるしを刻むものだと、私は思う。。。
2014年01月24日
南天の 紅実に雪のふるときは。。。
そのほのぼのとした光景を見た途端、私の心と嗅覚は瞬間移動した。。。
《南天 花言葉「私の愛は増すばかり」》

「かくれんぼ」、「缶けり」、「ダルマさんがころんだ」…
電源も、ゲーム機も、お金も・・・特別なものは必要ない。
ただ、気持ちの良い風と、友達、そして想像力があればいい…それが最高の遊び道具なのだ。
コーラス指導を終えて、家に向かう途中、小さな在所の神社の前で、珍しく子供達をみかけた。
小学校の高学年らしきその子達は、石垣にへばりつくように、身を隠していた。。。
その様子が、なんだかとても可愛くて、嬉しかった。。。

『冬』
かすてらの
こげた匂をかぐときは
わたしはままを思ひ出す。
らんらたの
ちゃぺるの鐘をきくときは
わたしはままを思ひ出す。
南天の
紅実に雪のふるときは
わたしはままを思ひ出す。
遠山に
銀の雨ふる冬がきた。
ままに逢ひたい冬がきた。
竹久夢二
『春のおくりもの』(昭和三年)から
その光景を見た途端、私の心と嗅覚は瞬間移動した。
私にとって、もっとも懐かしく大切な場所に・・・
心の帰るあの場所に。。。
私にとって、もっとも懐かしく大切な場所に・・・
心の帰るあの場所に。。。
2014年01月21日
スイーツな共演『初音ミク&フェンダーストラトキャスター 』。。。
食べ物は、人を幸せにする力を持っている。。。
作った人の「心」が、そのまま見えないエッセンスになって、食べ物のあちこちに潜んでいるからだ。
《初音ミク動画サイトで人気の楽曲「まるくなる」から登場したぬいぐるみをデザイン》

こんな可愛いケーキを作って下さったのは、彦根市の佐藤恵理子さんという素敵な女性。
こちらの想いをそのままデザインにしてくれた・・・
私から娘達へのサプライズを、お手伝いしてくれた人。
私から娘達へのサプライズを、お手伝いしてくれた人。

もう一つのサプライズは、ギター練習に専念中の娘に。。。
《娘のフェンダージャパン ストラトキャスター オールド キャンディアップル》

お菓子作り、お料理、音楽作り、そして歌を歌うこと・・・
根っこにあるものは、みんな同じだと思う。
根っこにあるものは、みんな同じだと思う。

恵理子さんは、来月、二人のお子さんのママに。。。
まるで、ホイップクリームのような、温かい笑顔の女性だ。
まるで、ホイップクリームのような、温かい笑顔の女性だ。
ケーキは優しい甘さで、どちらも本当に美味しかった。
私は、次にお願いしたいケーキのテーマを考えながら、恵理子さんが復帰されるまで、気長に待とう。。。
感謝を込めて・・・「ごちそうさまでした。」
2014年01月20日
「幸せ」の今・昔。。。『 伊吹山文化資料館』
降り続く雪
外は一面雪景色となり、家族は囲炉裏端で体を温めながら、暖をとる。
縫い物をする母を気遣う父の声が、聞こえるようだ。。。

「冬の夜」
作詞作曲者不詳/文部省唱歌
1912年(明治45年)
ともしび近く衣縫う母は
春の遊びの、楽しさ語る
居並ぶ子どもは指を折りつつ
日数かぞえて喜び勇む
囲炉裏火はとろとろ
外は吹雪
囲炉裏のはたで縄なう父は
過ぎしいくさの手柄を語る
居並ぶ子どもはねむさ忘れて
耳を傾けこぶしを握る
囲炉裏火はとろとろ
外は吹雪
《湖北型桶風呂 昭和30年頃まで県内で使われていた》

時代と共に、「家族の関わり方」や「幸せ」の形は変わりつつある。
今あるものは過去になく、過去にあったものを、今取り戻すことは困難だ。
だけれど、過去を知り、歴史を知ることで、私達は改めて「今」を気付くことが出来る。
気付かせてくれるものは、けして改まった活字や、難しいお話だけではない。
『 伊吹山文化資料館』は、地域の人々によって大切に守られてきた、手作りの資料館だ。
だから、あえて「伝わる」ことの重みも深い。。。
《千束焚きの大たいまつ》

《足踏式脱穀機》

地域の人だけでなく、沢山の人に足を運んで欲しい。
そうする事が、私達の「今」を、また未来に残す事に繋がる気がするから。。。
まだ娘達が小さな頃、沢山の体験教室に参加した。
あれからもう随分年月が経ち、「まが玉作り」を毎回楽しみにしていた娘は、もう社会人となった。
あの時の体験は、今もよくおぼえている。
けして派手ではないけれど、地域の子供達の為にずっと続けて来て下さった活動の一つ一つは、地域の人達の心の宝物となっている。
明るくディスプレーされた広い玄関で、素敵な笑顔で来場者を迎えてくれる職員さん、ボランティアの方々に、感謝の気持ちは尽きない。。。
外は一面雪景色となり、家族は囲炉裏端で体を温めながら、暖をとる。
縫い物をする母を気遣う父の声が、聞こえるようだ。。。

「冬の夜」
作詞作曲者不詳/文部省唱歌
1912年(明治45年)
ともしび近く衣縫う母は
春の遊びの、楽しさ語る
居並ぶ子どもは指を折りつつ
日数かぞえて喜び勇む
囲炉裏火はとろとろ
外は吹雪
囲炉裏のはたで縄なう父は
過ぎしいくさの手柄を語る
居並ぶ子どもはねむさ忘れて
耳を傾けこぶしを握る
囲炉裏火はとろとろ
外は吹雪
《湖北型桶風呂 昭和30年頃まで県内で使われていた》

時代と共に、「家族の関わり方」や「幸せ」の形は変わりつつある。
今あるものは過去になく、過去にあったものを、今取り戻すことは困難だ。
だけれど、過去を知り、歴史を知ることで、私達は改めて「今」を気付くことが出来る。
気付かせてくれるものは、けして改まった活字や、難しいお話だけではない。
『 伊吹山文化資料館』は、地域の人々によって大切に守られてきた、手作りの資料館だ。
だから、あえて「伝わる」ことの重みも深い。。。
《千束焚きの大たいまつ》

《足踏式脱穀機》

地域の人だけでなく、沢山の人に足を運んで欲しい。
そうする事が、私達の「今」を、また未来に残す事に繋がる気がするから。。。
まだ娘達が小さな頃、沢山の体験教室に参加した。
あれからもう随分年月が経ち、「まが玉作り」を毎回楽しみにしていた娘は、もう社会人となった。
あの時の体験は、今もよくおぼえている。
けして派手ではないけれど、地域の子供達の為にずっと続けて来て下さった活動の一つ一つは、地域の人達の心の宝物となっている。
明るくディスプレーされた広い玄関で、素敵な笑顔で来場者を迎えてくれる職員さん、ボランティアの方々に、感謝の気持ちは尽きない。。。
2014年01月18日
糸を紡ぐ、心を紡ぐ。。。『 伊吹山文化資料館』
何気なく過ぎる毎日の中には、何気ないものがあふれている。
その一つ一つには、私達の知らない歴史がある。。。
《紡ぐ前の綿》

米原市にある伊吹山文化資料館で、今日午前10時から、《こども体験教室「伊吹まるかじり隊」》の『糸車で糸つむぎ』が行われた。
伊吹山文化資料館は、廃校を利用した手作りの資料館で、娘達がまだ小さな頃、色々なイベントでお世話になった、私にとっても思い出のつまった場所だ。
《愛荘町「麻麻の店」田中由美子さん》

子供達は、ふわふわの綿の実を手に取り、糸車で糸を紡ぐ体験に眼を輝かせていた。。。


子供達は、まさに地域の財産だ。
その未来ある小さな心を育てるのは、地域と自然と大人達。
そして、伊吹山の麓で、地域の人に守られながら佇む伊吹山文化資料館もまた、大切な地域財産だ。。。
来館者、子供達を温かい笑顔で迎える職員のみなさん、素敵な講師の先生、ずっと伊吹山文化資料館をサポートし続けて下さった地域の方に感謝を込めて。。。
その一つ一つには、私達の知らない歴史がある。。。
《紡ぐ前の綿》

米原市にある伊吹山文化資料館で、今日午前10時から、《こども体験教室「伊吹まるかじり隊」》の『糸車で糸つむぎ』が行われた。
伊吹山文化資料館は、廃校を利用した手作りの資料館で、娘達がまだ小さな頃、色々なイベントでお世話になった、私にとっても思い出のつまった場所だ。
《愛荘町「麻麻の店」田中由美子さん》

子供達は、ふわふわの綿の実を手に取り、糸車で糸を紡ぐ体験に眼を輝かせていた。。。


子供達は、まさに地域の財産だ。
その未来ある小さな心を育てるのは、地域と自然と大人達。
そして、伊吹山の麓で、地域の人に守られながら佇む伊吹山文化資料館もまた、大切な地域財産だ。。。
来館者、子供達を温かい笑顔で迎える職員のみなさん、素敵な講師の先生、ずっと伊吹山文化資料館をサポートし続けて下さった地域の方に感謝を込めて。。。
2014年01月17日
伊吹山に笠雲かかり。。。
遠くはなれて見る、ふるさとの山もまた、神々しく、そして優しく私に語りかけてくる。
あぁ。。。私はそこに守られ、生きているのだと、心の眼を細める。

二日前、私が月の出を待ちわびている間、伊吹山には笠雲がかかっていた。
私は初めて見る光景に、心を躍らせた。
彦根から見る伊吹山は、とても壮大に見える。
その麓に暮らしていることを、誇りに感じさせてくれる。
昼となく、夜となく聞こえる姉川のせせらぎは、私の音楽の一部だ。
そのせせらぎは伊吹山の鼻歌のようにも聴こえる。。
レッスンにやってきた紅いほっぺの小さな女の子。
制服の袖口にうっすらと残る一本の線は、その子の成長の証。。。
小さな手が奏でるメロディーは、私に二日前の笠雲を思い出させた。
「おおきくなったね・・・
このふるさとで、もっともっと大きくなろうね。」
2014年01月15日
月の出・・・満月に想う。。。
月の出
だまつて
だまつて
ほうら、出ますよ。
お山の
ふちが
ぼうつと明るよ。
お空の
底と
海の底とに、
なにか
光りが
溶けてゐますよ。
JURA出版局『金子みすゞ童謡全集』から
《2014.1.15 16:50 》

何かを待ちわびる・・・
最近、そういう事が増えてきた気がする。
「待つ」時間はとても長いけれど、人の想像する力をじゅうぶんに発揮できる時間でもある。

やっと出会えた満月は、想像以上に大きく見えた。
待って待って・・・やっと会えた月は、みるみる空高く昇っていった。

白いまん丸な月が、やがて銀の月に変わる頃、側で「チュン」と光る木星を見つけた。
月を夢見、月を追いかけるように小さく光るその星が、なぜかとても愛おしく思えた。
「太陽」が憧れならば、「月」は夢。
憧れは遠くで輝いているから眩しい・・・
そして夢は、いつも自分の中にある。

遠い遠い昔から、人は大切な想いを月にたくしてきた。
月は、永遠の夢なのだ。。。
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だまつて
だまつて
ほうら、出ますよ。
お山の
ふちが
ぼうつと明るよ。
お空の
底と
海の底とに、
なにか
光りが
溶けてゐますよ。
JURA出版局『金子みすゞ童謡全集』から
《2014.1.15 16:50 》

何かを待ちわびる・・・
最近、そういう事が増えてきた気がする。
「待つ」時間はとても長いけれど、人の想像する力をじゅうぶんに発揮できる時間でもある。

やっと出会えた満月は、想像以上に大きく見えた。
待って待って・・・やっと会えた月は、みるみる空高く昇っていった。

白いまん丸な月が、やがて銀の月に変わる頃、側で「チュン」と光る木星を見つけた。
月を夢見、月を追いかけるように小さく光るその星が、なぜかとても愛おしく思えた。
「太陽」が憧れならば、「月」は夢。
憧れは遠くで輝いているから眩しい・・・
そして夢は、いつも自分の中にある。

遠い遠い昔から、人は大切な想いを月にたくしてきた。
月は、永遠の夢なのだ。。。
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