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Posted by 滋賀咲くブログ at

2022年04月01日

我が子羽ぐくめ 天の鶴群。。。




  旅人の 宿りせむ野に霜降らば
       我が子羽ぐくめ 天の鶴群


《伊夫岐神社の大椿》




いつだったか、母が目を細めて言っていたことがある。

「いくつになっても我が子はかわいい。その気持ちはちっとも変わらない。自分よりもうんと大きくなって、ずっとしっかりしていても、それでもかわいい。。。」

あの時の母の言葉に託された色とりどりの寂しさは、いま私の心の中であまりにも鮮明だ。







我が子とずっと共にいられることは、決して当たり前ではないのだと知った瞬間があった。
自分の大切なもの全てと引き換えに、我が子の命を願い祈った40日があった。


   旅人の 宿りせむ野に霜降らば
          我が子羽ぐくめ 天の鶴群

椿の実がはじけるように。
母の祈りは遠く、母の祈りは強く、母の祈りは終わりがない。

ただ幸あれと、ただ幸あれと。。。





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Posted by 白谷仁子 at 20:34お花私。。。うた

2021年06月01日

こんにちは、フレディ。。。



春から初夏にかけて、
ほんの短い間だけれど、
木々の緑は最高の美しさをみせてくれる。







太陽の眩しい光が葉っぱの間から差し込むと、
もうそこまで夏がきている証拠。
そんな頃になると、
私はいつも『葉っぱのフレディ』という絵本を思い出す。







草花や木々から元気をもらうようになったのはいつ頃からだろう。
『ひと』との出会いがなかった、この出会いもなかっただろう。







鼻の頭にいっぱい汗をためて、
首が痛くなるまでずっと木々を見上げて歩いた日のことを、
フレディは思い出させてくれる。

歩いても歩いても終わりが来なかった日のことを、
思い出させてくれる。。。




  


Posted by 白谷仁子 at 22:35私。。。

2021年04月29日

初夏を招く花、白山吹。。。


5月が近づくと、もうすっかり桜のことを忘れてしまうほど、初夏のお花たちが恋しくなる。

夏椿、梅花空木、野薔薇・・・
お庭はもうすぐ白い可憐な花たちで彩られる。

季節と花の色は、まるでリンクしているように心に語りかけて来る。
洗ったばかりの真っ白なシャツのように、眩しい白さを咲かせる初夏の樹木は、お庭に必須だ。

白山吹という木がある。
花の後には不思議な4つの黒い実をつける。
私の住む伊吹山の麓では、この時期、黄金色の花を咲かせている山吹をよく見かけるが、白山吹はあまり見かけない。


《白山吹 花言葉「気品」「細心の注意」》



初夏の花のカタログを、白い小花でもっともっといっぱいにしたい。。。


  


Posted by 白谷仁子 at 21:36お花私。。。園芸

2021年01月04日

地球が春を待っている。。。


誰にも話さないから教えて

   私たち人間が知らないこと・・・

        あとどれくらいあるの?



《アメリカフウ 花言葉「輝く心」》



時々、思うことがある。

私達が知らないだけで、木々はことばをもっているのではないか・・・と。

こどものころの「ふしぎ」は、おとなになると「ありえないこと」へとかわる。

それでも、ふとした瞬間に心はこどもに帰ることがある。

見えなかったことが、ある日見えるようになったりする。

今がちょうど、その時ではないかと思う。






最後の一葉が雪の空に舞ったら、春が一歩近づいてくる。

人が、地球が春を待っている。

輝く心で待っている。。。







  


Posted by 白谷仁子 at 23:12私。。。自然

2020年05月10日

小さな翼。。。



秋の紅葉は鮮やかで、
広げた小さな手のひらのすき間から、
ときおり差し込む光を顔に浴びるのが好きだった。

いつの頃からか、
可愛い翼果を付けた春の紅葉の虜になった。

その羽を見ていると、
どこへでも飛んで行けそうな気持ちになる。
大人気ないが、見るたびにそう思うのだ。


《モミジ 花言葉「遠慮」「自制」》



学校が休みになって、
子供たちはどうしているのだろう・・・
コーラスのメンバーさん達は元気にしているだろうか・・・
ふとした瞬間に頭をよぎる。

音楽教室のオンライン・レッスンは「通常と違う」という点で互いに楽しめるものではある。
画面越しからも生徒の緊張感は充分伝わって来る。

何より、
数十分の間だけでも様子がわかることに安心感をおぼえる。

子供達は健気だから、
今の異常事態を察して普段よりも頑張って練習をしてくれている。

それが、
生徒たちが私に示してくれている「愛情表現」なのだと、
痛いほど伝わって来て
切なく愛おしい。





春の紅葉は柔らかで、
広げた小さな手のひらの中に
小さな可愛い未来を抱えた翼が飛び立つ日を静かに待っている。

「もうすぐだ」と待っている。。。

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Posted by 白谷仁子 at 21:03私。。。

2020年03月20日

お庭とお花とミートちゃん。。。



人には、自然との触れ合いが必要です。
    わたし達はみな宇宙の一部なの。
宇宙を傷めることは、自分の体を傷つけているのと同じことよ。
ターシャ・テューダー『思うとおりに歩めばいいのよ』(KADOKAWA)より








今日は、昨年12月に開催したリードオルガンのコンサートでお世話になった、ひこね文化デザインフォーラムお庭のガーデニングを楽しみました。
デザインフォーラムの中島早紀さんとミートちゃん、県立大学の奥貫先生と一緒に、ユーカリの移植、シラン・クリスマスローズ・ギボウシ・ヤマボウシなどの植え付けで、ほっこり楽しい時間を過ごしました。
まずは、大好きなミートちゃんにご挨拶。






土はとても良い匂いで、ずっと植わっていた大きな松の根っこが、このお庭を守っているようでした。
フォーラムの人たちで、お掃除やお手入れがされていたので、すぐに植え付けにかかれました。





ブログでもご紹介したクリスマスローズは、萼片の真ん中に、そろそろ種を持ち始めました。
種がこぼれるのと、株が増えていくのを見越して、植える位置を考えるのはとても楽しい過程です。

自生している植物は、その場所を好み、そこが居心地が良いから育つので、なるべく動かさないようにします。
植物も人も、「居心地」は大切。。。







芽吹く春、真夏の日照り、秋の夕暮れ、冬の雪景色・・・
植物は四季折々に違った「絵」をわたし達に見せてくれる。
新緑の頃、どんな景色になるのか、ドキドキしながらまちましょう。






奥貫先生、誰も動かせないような石の移動、たくさんの植物をありがとうございました。
戸所先生、鯛焼きの差し入れ、ごちそうさまでした。
中島さん、一緒に作業ありがとうございました。お茶にお菓子、美味しかったです。

そして作業の間、ずっと見守ってくれていたミートちゃん、ありがとう。
あなたを抱きしめていると、遠くに感じていた春のあたたかさを間近に感じました。。。





お見送り、ありがとうございました。。。
  


Posted by 白谷仁子 at 22:47お花私。。。園芸

2020年02月11日

命を受け継ぐ。。。


庭のオリーブの木から、
鈴なりの黒い実がすっぺりと消えた。

ムクドリたちは人間よりもよく知っている。
実のなる時期や食べごろを。

私の大事なオリーブの木は、
毎年そのしなやかな枝を雪に委ねながら、
熟しきるまで黒い実を抱えている。

葉っぱだけのオリーブの木は冬の遊び場となり、
ムクドリたちは隣の小さな木になる金色の実をうかがっている。


《金柑 花言葉「感謝」》



”屋敷には(家の敷地・庭には)実のなる木を植えなあかん。子供がお腹を空かせたら、季節のもんをたべさせてやれる”
エジソン様の口癖を若かった頃の私は「クスクス」笑っていた。

みかん、柿、金柑。
木から素手でもいで食べる果実の味が格別なのは、
そのまま「命」を受け継ぐ瞬間を味わうからかもしれない。

金柑の実がもう少し甘くなる頃、
また我家の庭はムクドリたちでにぎやかになる。。。










  


Posted by 白谷仁子 at 20:13食べ物私。。。園芸

2019年08月15日

盂蘭盆、真心、ナンキンハゼ。。。


お盆。
綺麗なお花と、普段見かけない人達で華やぐお墓。
久しぶりに会う親戚兄弟と話をしたり、一緒に食事をしたり・・・

お盆はご先祖様が私たちに粋なはからいをしてくれる。


《ナンキンハゼ 花言葉「真心」》



小さい頃は、祖父母や従兄弟たちと会える「親元帰り」が楽しみで仕方なかった。
夏休みの宿題もそっちのけで遊びまわっていた孫たちに、祖母は毎朝言っていた。
「今日はご先祖様にご挨拶したのか?」
戦争から戻るとすぐに病気で寝込んでしまった祖父に変わり、祖母は女手一つで商売を切り盛りし、娘3人を育て上げた。
お盆もお正月も、休みなく商売に励んでいた祖母にとって、お客を迎え入れることは大変なことだったろう。
それでも、周りに特別な気遣いをしているそぶりを見せたことはなかった。
祖母の元には、毎日のように近所や親戚の人が訪れていた。


《ナンキンハゼを慕って寄ってくる蝉たち》



大声で笑い、いいたいことを言い、怒る時は真剣。。
そんな祖母を慕い訪れた人は皆、いつも楽しそうだった。
そこに居るだけで嬉しそうだった。

台風が来る前、買い物に出た先で、1本のナンキンハゼに7匹の蝉がとまっていた。
そのナンキンハゼの木が、私には祖母に見えた。
春夏秋冬、葉色や花、実で人々の目を楽しませるその木は、小さな体をコロコロと動かして一日中働いていた、あの頃の祖母に見えた。

私の祖母の記憶は、42年前、祖母が59歳の時で止まった。
最後のお別れをした時から、祖母の肌着の甘い匂いは、そのまま私の甘い思い出となった。。。





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Posted by 白谷仁子 at 21:04私。。。

2019年03月04日

のれんの先の 花数珠に。。。



 しだれ咲く のれんの先の 花数珠に
           言葉無くした 城南宮よ・・・




《白梅 花言葉「気品」》




寒い時期に花を咲かせる植物はみな、とても我慢強い。
そして不思議とその花びらは透けるようで柔らかい。。。

小さい頃は、実家の庭に植えてあった梅の木を、座敷からよく眺めていた。
繊細な花とは違いゴツゴツとした木の幹に、幼い私は違和感を感じていた。
春が過ぎ、夕暮れ時の気温が心地よい頃になると、木はビロードのような肌の実をたわわに付け始める。
そんなふうに季節の移り変わりを目の前で見て感じ取ってきた体験は、今、私の歌のエネルギーになっている。







美しいものを見ていると、なぜか泣きたいような気持ちになることがある。
たとえば幼い時の思い出とか、大切なものを手放した寂しさとか・・・
人は勝手になぐさめれれていると思い込む。

ものも言わない、そこから一歩も動くこともない、土に根を張っていなければ枯れてしまう命の重さを知れば知るほどに、そこにすがりたくなる時があるのだ。








 しだれ咲く のれんの先の 花数珠に
           言葉無くした 城南宮よ・・・


  


Posted by 白谷仁子 at 22:43お花私。。。私歌

2019年02月17日

生更木(きさらぎ)の朝に。。。



この冬は暖かくて、微かな初春の気配を感じそびれてしまった。
お庭の水仙も、湖岸に咲く菜の花も、当然のような顔をして春の景色を演出している。
時々チラつく雪も居心地わるそうに、地面に落ちるとすぐ消えてしまう。







毎年この季節になると、コーラスユウスゲでは「春は名のみの・・・」と声を合わせ中田章の名曲「早春譜」を歌うが、今年はすっかり時期を逃してしまった。

「如月」、「衣更着」、「気更来」・・・
2月は色んな文字が当てられるけれど、
今年は「生更木」という文字がぴったりな気がする。。。


  


Posted by 白谷仁子 at 21:04私。。。自然