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2018年05月14日

心の庭の花暦『かきつばた』〜コンサート『あのころVol.4』



 かきつばた
  北原白秋 詩/山田耕筰 曲

柳河の
古きながれのかきつばた
昼はONGOの手にかをり
夜は萎れて三味線の
細い吐息に泣きあかす
「鳰のあたまに火ん點いた
 潜んだと思うたらちい消えた」

ONGO(オンゴ)良家の娘 
鳰(けえつぐり) 

 




《かきつばた 花言葉「いつか幸せは来る」》
心の庭の花暦『かきつばた』〜コンサート『あのころVol.4』



水辺に美しく咲くかきつばたの花。
昼はONGO(良家のお嬢様)の手に、夜はNOSKAI(遊女)の胸に抱かれ。。。

歌の最後、柳河の方言で歌われるのは童歌です。
『鳰(かいつぶり)の頭に火がついた、水に潜ったと思ったら、チョイと消えた』
日の暮れ時、遊郭の灯りがひとつ、またひとつと点りはじめる頃、、子ども達は無邪気な歌声とともに、家に帰ってゆくのです。

いつかはきっと幸せが来る・・・
そう信じて待つ女性の胸に抱かれる花は、どれだけの「諦め」と「溜め息」を、その柔らかな花弁に受け止めてきたのでしょう・・・