
2019年03月30日
60年の走行距離。。。
四隅に穴の空いた免許証は、
ハンドルを握ってきた歴史の勲章。
年に20万人の人が免許証を返納している。
平成の終わりに60年という運転歴を持つ女性は、
一体どれくらいいるだろう・・・
《クローバー 花言葉「約束」》
先日、おばあちゃんが免許証を返納した。
今なら、女性ドライバーは珍しくもないが、昭和30年代に、田舎の若い女性が教習所に通っている姿は、あきらかに珍しい光景だっただろう。
夕飯の後、四隅に穴の空いた免許証を、おばあちゃんが私に見せた。
24歳でオートバイの免許、3年後に車の免許を取得した。
逆算すると、60年の歳月が流れていたことに、私も本人も「すごいねー。」と声をあげて驚いた。
60年の走行距離には、おばあちゃんの人生の歴史が刻まれている。
娘たちをお友達の家まで運んでくれたり、駅までお迎えに行ってくれた時のことなどを、ふと思い出した。
おばあちゃんの歴史の中に、娘たちがいて、娘たちの歴史の中におばあちゃんがいる。
「ご苦労様でした。」
そう言いたかったのに、言えなかった。
潔さは勇気の一つ。
その勇気に、私は後どのくらいの距離を走行したら出会えるのだろう・・・。
その日のために、自分との約束の一つ一つを果たしていこうと思った。