2015年04月16日
花曇りの午後。。。
「今日は花曇りだなぁ・・」
フロントガラスをのぞき込むように父が言った。
「花曇り?」
父の口から出た美しい言葉に、とっさに聞き返した。
「桜の季節には、よく空はこんな風になる。。ちょっと遅いけどな。」
父らしい言葉だ。。。
《ヤマブキ 花言葉「気品」》

久しぶりに父を車に乗せた。
父の退院以来、2ヶ月ぶりのこと。
実家からの帰りに、父を病院へ送ったのだ。
それは久しぶりに聞く、父らしい言葉だった。
ふと、入院中のリハビリで、どうしても「未来」の「来」という漢字が思い出せなかったと肩を落としていた父を思い出した。
80歳を越える病人に、「未来」という字を書かせた病院の職員さんに対し、心で微かな疑問を感じながら、その時の私は、ただ父をありきたりの言葉で励ますしかなかった。
小さいとき、わからないことは何でも父に聞いた。
見たことのない漢字
テレビのニュースから流れる、聞いた事のない言葉。。。
父はいつも丁寧に、小さな私を、けして子供扱いせずに教えてくれた。
病院の入り口の前に車を着けると、
父はしっかりとした足取りで、途中一度ふりかえり、私に大きな手のひらを広げて見せて、ゆっくりと病院に入っていった。
父の後ろ姿を見守りながら、ポロポロと涙がこぼれた。
ただただ嬉しくて、涙がこぼれた。
人は歳を重ねる毎に変わるというけれど、
ほんとうにそうだろうか。。
人は、時の流れだけで変わるものではない。
ちょっとした自然の移り変わりに眼をとめたり、
懐かしい歌に涙したり・・・
姿形が変わっても、その人の本質は、きっと、ずっと変わりはしないのではないか。。。
もうほとんど散ってしまった桜の木の下に咲く、ヤマブキを見ながら、
そんなことを思った花曇りの午後だった。
コンサート「日本の歌・心の歌」〜あのころ…
フロントガラスをのぞき込むように父が言った。
「花曇り?」
父の口から出た美しい言葉に、とっさに聞き返した。
「桜の季節には、よく空はこんな風になる。。ちょっと遅いけどな。」
父らしい言葉だ。。。
《ヤマブキ 花言葉「気品」》

久しぶりに父を車に乗せた。
父の退院以来、2ヶ月ぶりのこと。
実家からの帰りに、父を病院へ送ったのだ。
それは久しぶりに聞く、父らしい言葉だった。
ふと、入院中のリハビリで、どうしても「未来」の「来」という漢字が思い出せなかったと肩を落としていた父を思い出した。
80歳を越える病人に、「未来」という字を書かせた病院の職員さんに対し、心で微かな疑問を感じながら、その時の私は、ただ父をありきたりの言葉で励ますしかなかった。
小さいとき、わからないことは何でも父に聞いた。
見たことのない漢字
テレビのニュースから流れる、聞いた事のない言葉。。。
父はいつも丁寧に、小さな私を、けして子供扱いせずに教えてくれた。
病院の入り口の前に車を着けると、
父はしっかりとした足取りで、途中一度ふりかえり、私に大きな手のひらを広げて見せて、ゆっくりと病院に入っていった。
父の後ろ姿を見守りながら、ポロポロと涙がこぼれた。
ただただ嬉しくて、涙がこぼれた。
人は歳を重ねる毎に変わるというけれど、
ほんとうにそうだろうか。。
人は、時の流れだけで変わるものではない。
ちょっとした自然の移り変わりに眼をとめたり、
懐かしい歌に涙したり・・・
姿形が変わっても、その人の本質は、きっと、ずっと変わりはしないのではないか。。。
もうほとんど散ってしまった桜の木の下に咲く、ヤマブキを見ながら、
そんなことを思った花曇りの午後だった。
コンサート「日本の歌・心の歌」〜あのころ…