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2015年05月29日

6/6コンサート「日本の歌・心の歌」〜あのころ『からたちの花。。。』



   からたちの花 
北原白秋 詩/山田耕筰 曲

からたちの花が咲いたよ
白い白い花が咲いたよ

からたちのとげはいたいよ
靑い靑い針のとげだよ

からたちは畑の垣根よ
いつもいつもとほる道だよ

からたちも秋はみのるよ
まろいまろい金のたまだよ

からたちのそばで泣いたよ
みんなみんなやさしかつたよ

からたちの花が咲いたよ
白い白い花が咲いたよ





日本の歌、唱歌や童謡を歌うとき、私はいつも、「忘れてはいけないこと」を伝えたいと思う。。

長い文章や映像も、たしかに「伝える」ということの大きな手段になるだろう。
だけど、たった3分にも満たない一つの歌が、貧しかった昔の生活、人、自然の風景を、鮮明に心に届ける力を持っているということを、私はたくさんの人に知ってほしい。

日本を代表する作曲家、山田耕筰の歌をうたう時、いつも背筋がピンと伸びるような気がする。
とにかく、私にとって、文字では表現出来ない偉大な作曲家だ。

その山田耕筰が貧しい幼少期、養子に出され、工場で仕事をしながら勉強を続けていた時の思い出話から生まれた歌。
それが「からたちの花」だ。

山田耕筰はからたちの垣根で、母を慕い、故郷をおもい、小さな肩をふるわせて何度泣いたのだろう。。

私は「からたちの花」を歌う時、その小さな震える肩を抱きしめたくなる。
それはまた、貧しさのためにわが子を養子に出さねばならなかった、母の悲しみが心を締めつけるからかもしれない。

からたちのそばで、こらえきれず涙をぬぐう自分に、大人達はやさしく声をかけてくれた。
その優しさを感じれば感じるほど、「なぜ自分の母は、ここでなぐさめてくれないのか、抱きしめてくれないのか」という悲しさに包まれただろう。



6/6コンサート「日本の歌・心の歌」〜あのころ『からたちの花。。。』





私がからたちを見たのは、たった数年前のこと。
花はおわり、ちいさな実がついていた。
青い針のとげは・・・私が想像していたよりも、うんと鋭く、大きかった。

からたちの花が咲いたよ

私には「咲いたよ」という呼びかけが、会いたくて仕方のない人へのささやきに思えて仕方ない。。


からたちの花が咲いたよ
白い白い花が咲いたよ





うちの敷地内には、よく猫さんが遊びに来ます。
いま、もっぱら顔をみせてくれるのは、ちょっぴりオジサンフェイスの「巻太郎」(通称 マッキー)。

定位置で、いつも私を見下ろしています。


6/6コンサート「日本の歌・心の歌」〜あのころ『からたちの花。。。』














マッキーは、うちのエジソンさまが大好き。
マッキーだけではありません。
歴代の猫さんもみんな、エジソンさまの肩に乗ったり、車に乗り込んだり。。。

なぜでしょう。。。
答えは簡単。。。