2017年03月06日
苦み走った黄色いお花。。。
雪が解けて、枯れ草の下からちょこんと顔をのぞかせるあなたたちに出会うと、ようやく春がやって来たのだと、なんだかホッとする。
「もしもし・・・あなたはどうやら女の子のようですね。。。」

スーパーの野菜売り場で時折見かける蕗の薹(ふきのとう)。
小さなパックにお行儀良く並ぶ愛嬌ある姿は、思わず飾りに使いたくなるかわいらしさがある。
色形が綺麗に揃った器量良しさん達が並ぶ小さなパックを、しみじみ吟味するよう手に取るお客さんに、思わず話しかけたくなる。
「蕗の薹って、男の子と女の子があるんですよ!」って。

土筆(つくし)・伽羅蕗(きゃらぶき)・蕗の薹は、食べるだけで無く、摘む楽しさが特別だ。
蕗の薹が少し膨らんでくると、花の蕾に2種類あることに気づく。
柔らかくて白い花と、かたくて黄色い花と・・・
実は白い花は女の子、黄色い花は男の子なのだ。。。
天ぷらにするには、苦みの少ない女の子がいいし、蕗味噌にするには苦みの強い男の子がいい。
男の子は大きくならずに枯れていくが、女の子は大きく育ち、やがてタンポポのように種を飛ばす。
夕暮れ時のその姿は、言いようのない風情を感じさせる。
だから、、、
蕗の薹を摘むときは、まん丸で形の揃った、かたくて黄色い花の男の子を、枯れてしまう前に摘んで食べてあげるようにしている。
柔らかで白い花の女の子には、まだやらなくてはならないお仕事があるから。

「もしもし・・・あなたはやっぱり女の子のようですね。。」