2020年02月27日
式歌の意味。。。
小・中学校、高等学校の卒業式歌はさまざまで、
その学校の伝統を守り歌い継がれているものや、
年ごとに先生や生徒の思いや工夫によって変わる場合もある。
卒業生にとって、
ともに過ごした友達と最後に声を合わせる卒業式歌は、
特別なものであってほしいといつも思う。
式歌の指導に入ると、
その学校の生徒の様子や先生の一生懸命さは、
手にとるようにわかる。
「歌」は、
それだけたくさんのものを映し出す力を持っているから。
声帯を通った息は体に支えられて「顔(口)」で最後の仕上げをし外に出される。
「眼」「頬」「鼻」「口」それぞれが声を色づけていく。
そして大勢のそれが一つになる。
今日は、
米原市立柏原中学校に出かけた。
全校生徒を合わせても60名に満たないこの学校には、
文化祭の全校合唱指導にも入っている。
殆どの中学校が「コンクール」という競いの中で合唱をする中、
この学校では1年から3年までが一つになって曲を仕上げる。
文化祭を楽しみにしている自分たち、
その姿をたのしみにやってくる家族や地域の人のために頑張るのだ。
その「こころ」は、
勝ち負けを意識して練習を始めるのとは、
きっとスタートから少し違うかもしれない。
今年の式歌は『友〜旅立ちの時』(北川悠仁 作詞・作曲/相澤直人 編曲)。
リズムを大勢で揃えるのがひとつの課題だが、
言葉を大切に理解しながら歌うと、
不思議と少しずつそろってくる。
生徒たちの素直さは、
曲の仕上がりをうんと早くする。
「vocaliseは卒業生ひとりひとりがそこにメッセージを込めよう。単なる母音ではないからね。」
わたしの呼びかけに数人の女子がニッコリ微笑んだ。
授業がおわるころには倍の声が出ていた生徒たち。
この子達が卒業式歌の意味を噛みしめるのは、
うんとうんと先かもしれないが、
どうかその素直な瞳と声で、
あなたたちの卒業式を飾って欲しい。。。