2020年09月14日
いつまでも いつまでも〜立原道造 鮎の歌「物語」
僕には、たったひとつわからないことがある。
時はなぜこのようにくりかえすのか。
そしてなぜ僕にひきとめれずにすぐ死に絶え流のか。
立原道造全集第三巻 物語
鮎の歌「物語」からⅣ
9月になって、2つのコンサートに出かけた。
例年だと、週末は自分のコンサートやリハーサルが入っていて、月に2つのコンサートに出かけることは滅多とない私にとって、自分への良いプレゼントとなった。
6日、木之本スティックホールで開催された「Sous le Ciel de Paris」。
パリに留学されていたピアニスト 横田麻友子さんのお仲間と繰り広げるフランス音楽、日本の歌に、客席が始終引き込まれた。
プログラムも演奏も、流石だった。
コンサート中、4人のトークはパリのお話。。。
短い間だったが、2月にパリに滞在し、リサイタルを開催した私は、ほんのひと時、その空間を幸せな気持ちで共有した。
12日、びわ湖ホール大ホールで開催された「オペラ作曲家の横顔〜ロッシーニ〜」。
3月公演が中止となり、会場を小ホールから大ホールに変えての豪華なコンサートだった。
初期ロマン派のロッシーニのオペラはもちろんだが、宗教曲や合唱曲も大好きな私は心から楽しみにしていた。
お目当はもちろん第二部の「スターバト・マーテル」だった。
第一曲から十曲まで、時間を忘れて音楽と声とピアノを堪能した。
ホールの中にいると、音だけに集中できる。
演奏者である時も、聴衆者の時も、どちらでいても「自分」を鮮明に感じられる空間だ。
びわ湖ホールを後にしながら、耳に残る生きたハーモニーを感じながら思うことは一つだった。
練習を待つコーラスのメンバーを歌わせてあげること。。。
時は繰り返され、取り戻すことができない。
大切な時間は、大切に過ごすことで作られるものなのだということを、忘れてはいけない。

いつまでも いつまでも
いつまでも いつまでも
もしも 僕らが鳥だつたなら
空の高くを 飛んでゐよう
雲のあちらを あごがれながら
いつまでも いつまでも
木の枝にゐて うたつてゐよう
たつたひとつのしらべを
同じ聲で うたつてゐよう
身のまはりで すべてが死に
僕らのうたは 悲しみになる
そして 空は 限りなくとほい
あのあこがれは 夢だつた と
僕らの翼と咽喉は 誣ひるだらう
いつまでも そのあと いつまでも
鮎の歌「物語」からⅢ“いつまでも いつまでも”
立原道造全集第三巻 物語
追記
2月のパリ公演の様子は、また順次アップします♫