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2013年05月09日

Ma rendi pur contento~喜ばせてあげて~

お庭の苺が白い花を付け始める頃、お昼間は少し汗ばむくらいの陽気となる。

Ma rendi pur contento~喜ばせてあげて~


《苺 花言葉「甘い香り」「無邪気」「あなたは私を喜ばせる」》


「何が好き?」と聞かれたら、迷わず「苺」と答える私。

小さな頃、祖母が長浜祭りに遊びに来るとき、決まって真っ赤な大粒の苺をお土産に持ってきてくれた。
それが嬉しくて。。。
風呂敷に包まれた大きな箱を大事そうに抱え、祖母が長い時間、電車に揺られて来る姿を思うと、その気持ちは一層大きくなった。


「あなたは私を喜ばせる」
愛らしく、可憐な苺にピッタリの花言葉。。。

大切な人を喜ばせてあげたい・・・そう思う気持ちは健気で正直で、そして美しい。


私がイタリア歌曲のなかでも最も好きな歌がある。
ベッリーニの歌曲「Ma rendi pur contento~喜ばせてあげて~」だ。


その歌曲は大学1年の時の後期試験曲だった。
とにかく大好きで、当日は試験であることなど忘れて思いきり歌った。
「いつか、心から大切な人を想って歌いたい」
そうおもいながら・・・。




Ma rendi pur contento
(喜ばせてあげて)

       ベッリー二 歌曲

美しい私のあの女(ひと)の心を
どうか喜ばせてあげてください。
たとえ私の心は楽しまなくとも
愛の神よ、私はあなたを許します

彼女の苦しみは私の苦しみよりも
もっと気にかかります
私は自分のうちに生きている以上に
彼女の中に生きているからです




3年前、20年以上ぶりに歌った《Ma rendi pur contento》。
高宮の『座・楽庵 おとくら』で、静かで優しい時間だった。


Ma rendi pur contento~喜ばせてあげて~






お庭の苺がやがて、白い小さな実をつける頃、私は《Ma rendi pur contento》を口ずさみながら、待ちきれずに白い実を口元に寄せる。。。


Ma rendi pur contento~喜ばせてあげて~