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2022年01月10日

玉樹の花は開く、白砂に、清らかに。

      

     玉 樹
 雪 山 万 重 鎖 僊 郷
 玉 樹 花 開 隔 渺 茫
 白 石 青 苔 明 月 上
 幾 生 修 得 掬 霊 香

 〜岡倉寛三(天心)がブリヤンダバに送った漢詩〜


玉樹の花は開く、白砂に、清らかに。


玉樹
人跡の踏むを許さぬ断崖のかなた、ヒマラヤの氷の胸に安らかに抱かれて
玉樹の花は開く、白砂に、清らかに。
くりかえしくりかえし、幾つの生を重ねつつ
恍惚たる幻境のなか、月光照らす石上の
冷たい苔に坐らねばならないのだろう、
いやはてに ー くまなく霊は浄められ、
聖なる花の香しい露を啜るそのときまで。
〜岡倉寛三(天心)の英訳を元に大岡信が訳〜


その人が、自分にとってかけがえなく清らかで、
手の届かない次元の世界にいても、
力強く、決してあきらめることなく・・・
共に清らかに生きようとする勇気を、わずか二十八の漢字が語っている。。。



Posted by 白谷仁子 at 20:55 │私。。。