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2014年02月14日

ふるさとの雪は、琵琶湖に帰り。。。

ふるさとの雪は湖面に落ち、その瞬間、跡形もなく消えて行く。

寒さも忘れ、ずっと琵琶湖に落ち続ける雪を見ていた頃、目の前の光景はずっと永遠だと、信じて疑わなかった。。。



ふるさとの雪は、琵琶湖に帰り。。。





今年は雪が少ない。。。
実家の父が育てた、小粒のキウイフルーツの皮をむきながら、ふと、そんなことを考えていた。
磨りガラス越しには、降り続く白い雪がうつっていた。

雪が少しでも積もると、思い出すのは小学校の登下校。
子どもの頃、膝の位置より高く積もった雪を足で掻き分けながら、歩いて学校へ行った。

灰色の空から落ちてくる大粒の雪は、私に瞬きをする間も与えなかった。

雪の中、大急ぎで琵琶湖岸に行き、湖面に落ちる雪を、まるで映画のワンシーンのようにながめていた。
自然の美しさ、自然の不思議を、寒さの中で感じた時だった。。。


「琵琶湖に落ちた雪の粒が、空に帰るのはいつだろう。再び雪となって空から落ちてくる頃、私は何をおもっているのだろう。。」
長靴の中で、冷たくなった指先に力を入れながら、雪の粒を、ただただ眼で追っていた。


私がいなくなってから父が植えたキウイのツルは毎年、小粒ながらたくさんの実をつける。

収穫が終わり、ちょうど今頃になると、キウイは甘く、柔らかくなる。







Posted by 白谷仁子 at 23:43 │ふるさと