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2014年05月19日

文学散歩…立原ゆかりの場所を訪ねる《その1》

「音楽…歌をやってなかったら、何をしてた?」
苺ジャムをグツグツ煮ながら、キッチンにたっていた私に、大学3回生の娘が突然聞いてきた。

「んー…お料理、洋裁、何かなぁ。。。歌をやってないってことが考えられないなぁ。。」
笑って答えた私に、娘も笑いながら、「やっぱり?。。」

もうすぐ出来上がる苺ジャムの甘い香りに包まれながら、他愛ない母娘の会話に幸せを感じていた私は、前日に訪れた『軽井沢』の余韻に浸っていた。



文学散歩…立原ゆかりの場所を訪ねる《その1》





5月17日、文学散歩「新緑の追分を歩く~立原ゆかりの場所を訪ねる~」に参加するため、私は軽井沢に足を運んだ。
これは、軽井沢高原文庫で4月24日~7月14日に開催されている「生誕100年 立原道造と軽井沢展」の同時企画イベントで、ほんの数日前に知ったものだった。

御影用水、旧油屋跡、油屋、御膳水、亀田屋商店、郵便函、旧永楽屋跡、旧若菜屋跡、追分公民館、立原道造のレリーフ、泉洞寺裏にある「泡雲幻夢童女墓」、分去れの碑などを巡った。・・・まさに立原道造の「優しき歌」を思わせる爽やかな5月の一日だった。
学芸員の大藤さんの丁寧でわかりやすい解説を聞きながら、私たち参加者は、新緑の旧追分宿を、立原道造の面影とともに歩いたのだ。



《油屋》
文学散歩…立原ゆかりの場所を訪ねる《その1》




立原道造がこの地を訪れると、油屋という旅館に滞在していた。
私達参加者は、火事のため焼けてしまったという、油屋さんの跡地を見た後、現在の油屋さんを訪れた。


《油屋では生誕100年を記念して、道造の展示が》
文学散歩…立原ゆかりの場所を訪ねる《その1》





御膳水は、今も足下を美しい水が濡らし、草はその水の恵をうけて、美しく光っていた。
立原道造は、この神聖な場所を何度おとずれたのだろう。。。


文学散歩…立原ゆかりの場所を訪ねる《その1》





かつて、この同じ場所にポストがあったという。
パソコンも、メールもない時代、堀辰雄・立原道造は、ここから手書きの原稿を送ったのだろうか。。。


文学散歩…立原ゆかりの場所を訪ねる《その1》





私は歌を通して、立原道造の詩に出会った。
立原道造より2年あとに生まれた作曲家、柴田南雄の「優しき歌」に心をうたれてから、『いつかきっと…』という思いを抱いてきた。
そして、あることをきっかけに、私は立原道造の詩を何度も読み返すようになった。
不思議な事に、その詩は、読む度いつも新鮮だった。
歌をやっていなかったら、私は立原道造の詩に出会うこともなく、まったく違う世界に生きていたかもしれない。

11月23日、立原道造の歌と朗読のコンサートが実現することになった。
3回の朗読講座との同時企画だ。

歌をうたってきてよかった。
歌をうたってきて本当によかったと…いま心から思う。


つづく。。。




圧力鍋で苺ジャムを作りました!!!


文学散歩…立原ゆかりの場所を訪ねる《その1》




しみじみ・・・美味しい♡。。。