2016年07月14日
「悲しき歌」に。。。
日が暮れて帰って来たら、街灯に照らされたギボウシの花が、月の光に照らされた神秘の花のように、私の足を一瞬留めた。。。
《ギボウシ 花言葉「変わらない想い」》

フランス語(歌曲)の先生に勧められた歌は、学生時代から私がずっと歌いたかった、憧れの歌だった。
Chanson triste、悲しき歌。
憧れだけでは歌えない。
メロディーの美しさに酔ってしまったら、言葉は意味を持たなくなる。。。
穏やかな夏の月の美しさは、私の背中を押してくれたようだった。。。
Chanson triste
Henri Duparc/J. Lahor
Dans ton coeur dort un clair de lune,
Un doux clair de lune d'été,
Et pour fuir la vie importune,
Je me noierai dans ta clarté.
J'oublierai les douleurs passées,
Mon amour,quand tu berceras
Mon triste coeur et mes pensées
Dans le calme aimant de tes bras.
Tu prendras ma tête malade,
Oh! quelquefois,sur tes genoux,
Et lui diras une ballade
Qui semblera parler de nous;
Et dans tes yeux pleins de tristesse,
Dans tes yeux alors je boirai
Tant de baisers et de tendresses
Que peut-être je guérirai.
悲しき歌
詞:ジャン・ラオール/訳詩:藤井宏行
きみの心の中には月の光がまどろんでいる
おだやかな夏の月の光だ
人生の気がかりから逃れて
ぼくはきみの光の中に溺れよう
過去の苦しみは忘れてしまうんだ
恋人よ、きみが癒してくれるから
ぼくの悲しい心と思いとを
きみがその腕で抱いてくれることで
ぼくの痛む頭を支えて
おお、ときにはきみの膝の上に寝かせて
きみは歌を歌ってくれ
ぼくたちのことを歌っているような歌を
きみの悲しみに満ちた眼から
きみの眼からぼくは飲み干すのだ
たくさんのくちづけと優しさを
そうすることで、たぶんぼくは癒されるのだから
(訳詞は、藤井宏行さんの詩を掲載させて頂きました。
http://a-babe.plala.jp/~jun-t/notes/etc/duparc/01.htm)

夏のお庭のあちこちで、ギボウシは葉を揺らす。
その涼しげな風景に、私は朝となく夜となく心癒やされ、その豊かな緑から無償の愛を教わるのだ。。。