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2018年04月21日

わが思ふ人はありやなしやと。。。



名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと
           在原業平〜伊勢物語『東下り』より〜



わが思ふ人はありやなしやと。。。



ユリカモメほど愛らしい渡り鳥はいないと思う。
その可憐な表情と赤いブーツを履いたような長い足、そして頬ずりしたくなるような白い羽に、魅了されているのは私だけではないだろう。

遠い昔に詠まれた句に、どれだけ年月が流れても、人を想う心は、流れず変わらず今も同じであると気付かされる。

「名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」

この句の「都鳥」は、ユリカモメのことだったらしいと知ってから、長くて白い翼は天使の羽のようにも思えてならない。



わが思ふ人はありやなしやと。。。



ある女性が言った。
「鳥ってすごいですよね。だって、飛べるんですもん・・」

こんな言葉を聞いた日は、心を箒でサッとお掃除したような清々しさに包まれる。
そうだ。
私たちがどれだけ流暢に話せても、どれだけの富を手に入れても、あの子たちのように体ひとつで飛ぶことはできないのだ。絶対できないのだ。。
この句が生まれた瞬間も、そんな思いが心をかすめたに違いないと、私は想う。

「私にはわからないことも、お前たちならわかるのではないかい?どうか教えておくれ・・」

そんな船上のつぶやきが、私には聞こえるようだ。。









まるちゃんを琵琶湖に連れて行きたい。。。

わが思ふ人はありやなしやと。。。