2014年01月06日
星くづにてらされた道。。。
人はどうして詩を愛するのだろう・・・
人はどうして詩を歌うのだろう・・・

良いことがあった時、なかった時、「夢みたものは・・・」と問いかけてみると、私の中にある形の無い柵は、雪が溶けるように崩れてゆく。
私が最も愛する詩人、立原道造の記念館は、2011年に閉館した。

歌を通して、私は立原道造と出会って、その世界に引き込まれていった。
立原道造生誕100年の今年、たくさんの道造の詩を歌おうと思う。
詩に音がつき、歌い手が世界を作る。。。
愛する詩を、心である歌で表現出来ることへの感謝は尽きない。
『のちのおもひに』・・・湖の畔で育ち、山里で暮らす私への、最高の贈り物だ。。。

のちのおもひに
立 原 道 造
夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへつた午さがりの林道を
うららかに青い空には陽がてり 火山は眠つてゐた
──そして私は
見て来たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を
だれもきいてゐないと知りながら 語りつづけた……
夢は そのさきには もうゆかない
なにもかも 忘れ果てようとおもひ
忘れつくしたことさへ 忘れてしまつたときには
夢は 真冬の追憶のうちに凍るであらう
そして それは戸をあけて 寂寥のなかに
星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう
詩集『萱草に寄す』より
(「はじめてのものに」と対応する作とされている。)
Posted by 白谷仁子 at 17:46
│詩