
2014年11月13日
真心の色。。。
寒さを覚悟して、「エイッ!」と車のドアを開ける。
朝の真っ新な風が、容赦なく首筋に滑り込む。
「さっぶー…」
いそいで車のドアを「バン!」と閉め、駆けようとした足を、私はとめた。
真っ赤なナンキンハゼの葉が一枚、そこに落ちていた。。。。
《ナンキンハゼ 花言葉「真心」「心が通じる」》

今朝は昨日の朝よりずいぶん冷えこんでいた。
玄関のナツツバキは、もうすっかり冬の顔をして私を見送ってくれた。
勤務先の高校へ向かう途中の山々の紅葉は、美しい一日のはじまりをしめしてくれる。
もう見慣れつくした景色なのに、みるたび心は「わくわく感」で満たされていく。
そして…私の美しい一日は、真っ赤なナンキンハゼの葉ではじまった。

花言葉「真心」の由来はいろいろある。
授業でナンキンハゼの葉を生徒にみせてあげた。
花言葉を伝えると、生徒の顔は一瞬にしてやわらかくなった。
言葉のもつ力は大きい。。。
花言葉を口にしたとき、私が野口雨情の童謡について学んでいるときに出会った、一つの「歌」を思い出した。
「事しあればうれしかなしと時々にうごくこころぞ人のまごころ」(玉鉾百首〜本居宣長)
私の敬愛する、童謡作曲家 本居長世のご先祖様、本居宣長の歌だ。
私にはなぜか、この歌の意味する「真心」が、最もナンキンハゼにふさわしいように思う。
「真心」はいつもやさしくあたたかいばかりではなく、真の心は時にあたたかく、時に哀しく、その時遭遇した事柄により動く、純粋なものなのだ。。。
ナンキンハゼの葉は、黄、橙、朱、赤、濃赤・・・
夏の終わりから冬のはじまりまで、それは美しく色をかえてゆく。

私は、ナンキンハゼの真っ赤な葉を、誰かにプレゼントしたくなった。。。
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